笑った末
「奥さんはどうしているの?」
「近所のパートをしているんです。正社員だと雇ってもらえなくなってしまうからって。公になってないから大丈夫だといって今は正社員を探しているみたいです。」
子供がいたころには騒がしかっただろう家にはローンばかりになってしまったのだ。一体何処から大事な入れ物だったはずなのに、箱のようになってしまったのか。篠原が行っていたのはある種脅されていたとみらても可笑しくないので酌量の余地があるはずだ。
「俺は当分無理だろうけどね。親父がまさか自分に振ってきた仕事を俺に割り振っているとは思わなかった。結局いい思いをするのはあくまで親父だけだったから辞めたんでしょ。検事って仕事。」
「私は冤罪を作るために検事になったじゃないって訴えたのよ。あの親父、あざけわらってさ。そういうのなら弁護士になれって。弁護士になって俺たちのやることに擁護しろとか言ってさ。」
村上は尚子から聞かされていた言葉だったが、父親がまるで自分の地位以外に興味がないといったところだったのだろう。彼女も何処かで冤罪を生み出していることに気が付いたのだろう。人の人生を動かしているつもりでもなっていたのだろうか。父親として恥ずべき姿をさらしてしまったのだ。




