時のすべて
それから数日経った。あまりにもマスコミが騒がしくしていたのすら忘れてしまったかのようになってしまっている。今は平常としてしているようだった。
「あら、笹田から連絡がないの?」
「ないというか。俺の仕事をしろとか言ってすべて任せているんです。・・・まぁ、あいつのほうが考えていることとしては上ですから。」
所長との会話を聞いていたのか、パソコンに夢中になっていた彼女がすっと顔を上げた。彼女には約束をしていた林奏斗のサインを渡すと本当だったのかという顔をされたのだが・・・。
「まさか、林さんとつながっている人と知り合いだったなんて思いませんでしたよ。それも同業者の上にもともとは此処にいたなんて考えられないです。」
「増岡にはめられてしまってやめたのよ。警察が誤認逮捕をした所為もあってね。誰も認めないとは思わないんだけど。」
川城に流れてくる情報は加担していた警察官の解雇は分かっているのだという。上層部もやめざる負えない雰囲気になっているのだ。誰も味方がいない状態になってしまってはやりにくいのは分かり切っていることでもあるからだ。週刊誌はこれを皮切りに警察批判や政治家批判を続けている影響が出始めているのは確かだ。




