変えられない心のひだ
「似たようなことをする探偵だかなんだか言っていた人がコーヒー代を彼のためにとか言っていたよ。」
「その人の名前は分かりますか?」
テーブルに向かうときにできるだけ聞かないようにしているが、彼が少し心配そうにしていたのが気になったのだという。その日はそのままコーヒー代を残していった探偵が先に帰ってしまったのだというのだ。次の日になってコーヒー代くらいは支払っておきたいといってきたのだという。よく来るのは調べがついているとか言ってもいた。
「笹田とか言っていたな。彼はあんまり名前を言うことはないんだけど、知り合いの子供だからとか言っていたな。そうか。刑事だったときの相棒の子供なら気になるか。だから、探偵になったのかもしれないね。」
村上は宗と会っていたことを知ったのだ。宗は何かを知りたいがためにあったが有力な情報にはありつけなかった。それで早めに帰ってしまったのか、それとも取引のように持ち掛けたのかもしれない。宗のやり方としては近かった。取引にすることで後に引けなくなってしまうのだ。
「相棒とはよくあっているといっていたよ。相手は養護施設の職員で、彼は探偵っていうのは憚れるところはあるとも言っていた。それでも情報はいるからって。」
「じゃあ子供の情報を伝えるために会っていたということか。」
つながってきたような気がした。明光は気になってはいるが、あってはくれないこともあるので別の探偵に見張らせていたのかもしれない。危険なことをすることをしたときは止めるようにして・・・。少しの親心といった感じかもしれない。




