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災いの元

「もし警察にばれても私の知り合いが警察組織の上層部にいるから止めることができるんじゃないのかしら。まぁ、貴方が調べることって警察にとっては痛手だからどうなるかしら。」

「そこまでわかっているんですね。轟さんがすべてを捨ててまで選んだ道には意味があると思っています。それは明光さんもしかりですけど・・・。」

尚子は彼の顔が何時もの険しい顔だったこともあってか、あっさりとあとを引くことは選ばないのではないだろうか。彼女の知り合いに警察組織の上層部がいるというのは、家庭が検事一家だったこともつながるのだろう。そこの梯子がいずれは外れることも分かっているのだろうから。何時まで使える有効付きの契約みたいにしか見えなかった。

「翁助はやめることにしたみたい。篠原のこともあるから、公になる前にやめるように言っているみたいなの。それでも責任というのは免れないからいやとか言っているみたいだけど・・・。」

弟の決断に手を差し伸べることもできなかったのだろうと思った。篠原にはかかわったということがあったのだろうか。巻き込まれた人間が責任が大きく思ってしまった。結局はトカゲのしっぽ切りが結末だともわかっているのだ。

「そうなんですね。俺は何もできないんですか。探偵っていうだけで情報を得るだけが能じゃないってあいつから教わったんです。」

「なら、警護を付けるなんて言っても貴方はそんな体格でもないし、苦手でしょ。」

尚子から出るのは論破に近い言葉だけだった。

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