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涼しい風

宗は何処か話をしたことによって晴れやかな顔をしているような感じがした。彼はいずれ相手の懐がわかったときにいうようにした。

「まぁ、おいおい伝えるよ。まだ記事も出てないところで作戦を立てても無駄足になったらしょうがないからな。」

「わかった。その時は伝えてほしい。」

「あぁ。」

宗はそう言って応接室を出て行ってしまった。そこから生まれているアイデアがあるのだろうと思ってしまった。そこに描かれているのは結末すらも描かれていない書きかけのしょぼくれた小説なのかも判断できないものなのかもしれない。だからと言って、結末を書かないことにいいこともあるのだろうから。わかってはいることでもあるのだから。

「あれでよかったんですかね。」

「おじけづく必要はないわよ。あれで少し警戒心が解けたわけじゃないけど、演技じゃないってことを示しているようにしか思えないのよ。」

尚子はそのことで分かっていることが増えたと思っているようだった。あとのカギとなるのは大学ノートに書かれている轟を調べたものだった。宗の性格からして深く入り込みすぎたが故に起きた誤認逮捕だとするならば・・・。

「轟さんを呼んでもらうことってできないんですか?」

「できるわよ。私と彼の仲だからっていうわけじゃないわよ。疑われたら晴らすっていう彼の精神に外れるわけないからよ。貴方が疑いを持っているわけじゃないこともね。」

彼女は携帯を取り出して轟に約束を取り付けているように思えた。それは疑問を解決してくれるという安心感につながっているように思って眺めていた。外は騒がしく思うが、中は涼やかだったから。

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