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未来を描く看板

尚子の心配をよそに何処かタンタンとしている姿がむなしく思ってしまうのだ。

「まぁ、心配する必要なんてないさ。貴方が思うほどのことはしないから。」

「でも、危険な行為は簡単にするじゃない。誤認逮捕を誘導されたとすればどういう相手か知っていたかがわかっているってことになる。」

彼女の言葉の終わりが強くなった。それでも宗は受け流すような感じだった。それよりも守るべき相手が存在するのだろう。それの存在がいかに大きなものかがわかっていなかった。見えないなかった景色とは違ってくるのだともわかったのだ。

「村上、お前はどっちでも構わないからな。・・・強要するなんて柄でもないことするほうが厄介だ。」

「俺はお前のするほうに行くよ。増岡に会うって増岡康太は死んでいるし、あと誰がいるんだよ。」

「父親だ。増岡勉、息子の功績によって隠居とは言え力をもっている存在だ。それは息子あってこそだって知っていてやっているんだからたちが悪いんだよ。それを知らしめる必要があるだろう。」

彼の不適な笑みは笑っているのは張り付けたお面のような感じもした。それは簡単に人を信じられなくなったことが故の弊害だろうかとも思ってしまった。村上に同意を得ようとするのは尚子は大きな声で怒鳴れなうなってしまうことも分かったうえでのことも分かってしまった。

「村上もキチンと連れていくのを条件なら構わないわよ。だた危険な行為を起こすなんて許さないんだからね。」

「所長、俺は此処の探偵じゃないんだ。何時まで子供扱いをしているんだか・・・。まぁ、いいや。親父にも伝えてほしいだよ。」

危険を冒してでも見えている景色を変えたいと思っていることを知ってほしかったのだろう。そこでわかっていることも悪しからずあるのだろう。見えている世界ばかりがすべてではないのだと。それすらも分からないのかもしれないから。

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