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闇を見つめる

世の中の流れを素知らぬふりをしていくわけにはいかなかったのがこの結末だったというのは何処か感じてしまった。先を見通せる力なんているわけでもないのに、見る気にないのはあまりにも残酷であるような気がしてならない。それは見えないと見ないようにしているのとでは違うのだと・・・。

「村上、そういうことだから。白浪さんと会ったことはあっただろうけど、此処で聞いた話は笹田には言わないでよ。私がどうにかしようにも悟られたとかじゃ難しい相手なんだから。」

「わかりました。・・・ただ俺でいいんですか。うまいわけじゃないから浮気調査を専門にしていたわけで・・・。」

身辺調査を主にしていた宗に比べてしまったら何処かで漏れそうで怖いのだ。下手な動きで勘繰られてしまったら困ってしまう。それくらいはやってのけるのだろうから。

「俺は事務所を中心にして伝えていきますから。」

「わかっているわよ。だって貴方、誤認逮捕だったときも信じ切っていたんでしょ。にしても相手が強敵で数で行くしかないのよね。」

川城だけは難しいのだ。探りをかけてもあまりに上がってこなかったのはそういうことに過ぎないのだと思ってしまった。

「そういうことで解散ね。」

尚子ははっきりとした声で言った。

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