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笑い話

田沢が余計に政治家に対して強い思いで書いたとしても上司はコネで受け取った人達の評価を上げていくだけなんだと思っていたりした。その時に笹田と会ったのだ。書く腕はあるのに、しょぼくれた記事を書かされているといったのだ。そんなことを言ってくれるような人に出会ったことはなかった。

「今は笹田さんが最初に声をかけてくれるってわかっているんです。彼はいろんな週刊誌を読み漁っていますから少しでも腕が落ちたと評価されると全く来ないんですよ。」

「遠巻きで評価するんだな。」

「そのほうがいいですよ。どうせあそこにいても野暮ったいばかりな感情しかなかったのに日の目を見せてくれているんです。」

村上には何処かわからない世界のようにしか見えなかった。それでも見いだせているのはすごいことだと思ったのだ。

「俺は探偵になっても何をしているのかと思うときだってあるんだ。」

ぼやく相手を間違えているとしても何処か見えているように思って苦笑いを村上はするしかなかった。

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