暴けると思われる時間
「それも今付き合いのある轟っていう人も関わっているんだろ。」
「そうだよ。親父は捜査一課で轟は捜査二課っていうことで部署は違ったらしいんだ。だけど、もともと2人とも捜査一課にかかわっていたこともあって顔見知りだったっていうんだよ。・・・いったら悪いけど、警察も笹田、轟がかかわっている事件は立ち入らないという決まりになっているらしいんだよ。」
村上は感心そうに聞いているのか、ただ投げかけただけなのかわからないと思ってしまうことも常なので投げかけるのも億劫になってしまっているのかもわからなくなっている。
「まぁ、お前も生みの親を探すことで探偵を始めたと思ったら今ややっている理由が変わっているんだもんな。」
「親を探したところで何を言うんだよ。生んでくれてありがとうなのかすら答えが分からぬままあったところで仕方ないだろ。それに親父が話したがらないところを見ると裏には警察がかかわっているんじゃないかとしか思えないんだよ。」
「だよな。俺もそう思うんだよ。警察が引き起こした事件なら警察にかかわっている人間が反逆的に言うのは限りなく少ないかなと思ったんだ。」
村上は探偵としての歴が長いこともあってか、警察の行動を察することが多いのだ。それでも警察にたびたびくだらないことで疑われてしまうことは嫌で仕方ないのだが、この仕事をしている以上の性だと思って対応をしているのだ。
「笹田明光と轟は警察にとってその内容を打ち明けられたら困るんじゃないのか。だから、襲わないようにしているんだよ。もし逮捕したとしてそこで話さずとも週刊誌の記者に話してみろ。一面に出ることにもなる。そんなことがあるだろうしな。」
「親父もいっていた時もあったよ。警察だなんて警視庁だなんてろくでもない組織にいる時のほうが長かったとかいっていた。階級もくそくらえと思っているらしい。・・・久々に轟に聞いてみようかな。何を言うかな。悪口くらいかな。」
笹田はそういって出てきたコーヒーをすすった。うまいコーヒーを出す店ではあるようだが、何かにさいなまれてしまっているようにも思えたのだ。警察にいたことを何度も後悔する明光を見たからこそからかもしれない。嘘をつくことを嫌がってしまって警察にうごめく悪事に目をついてしまったのだろうと思った。彼の性格からして許せなかったのだろう。捜査一課として働いていた経歴もなくなってもよかったのだという考えには誇りに思ったのだ。笹田は明光に対する尊敬は計り知れない。




