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看板につぶされぬように
「わかっていますよ。貴方にケンカを売るほど暇じゃないんですから。」
週刊誌の記者がどこかおじけづいているように感じてしまうのだ。それが狙いなのだろうかとも思ってしまうのだが、根底にあるものは判別はできないままだ。
「俺を見くびるような相手だなんて思いたくないですから。」
宗はそういうと電話を切った。晴れやかな顔をしているようだ。彼の中できっとわかっているのだろうとなる。データを持っているようだ。
「奏斗、細工をしといてくれ。」
「わかりました。まぁ、阿呆じゃない限りケンカを売ってきませんよ。」
奏斗はそう言ってデータを受け取った。データは深く言えばコピーも含んでいることを知っているのだ。笑顔なき姿にはならぬように・・・。




