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隠す道

村上と話し込んでいると入り込んでくるのを少し躊躇している男性が立っていた。村上との会話を少しやめて彼のほうへと向いた。

「気づいてくださって有難うございます。川城翁助を担当している事務官の篠原といいます。検事は今、部屋で待たれています。・・・お連れするように言われました。」

篠原は恐る恐るいっているようにも見えた。篠原は事務官といわれても疑われないほどのかっちりとした服装だった。黒のスーツにネクタイすらも落ち着いた色合いを選んでいる姿が明らかに堅苦しいと思う人もいるほどだ。彼のエスコートは丁寧に進めていた。部屋で待っているといっても固定の部屋にいるだけでそこからあまり出ないのだろうかとも思ってしまった。篠原が連れてきた部屋にはキチンと担当検事の名前とその下には事務官の名前がはっきりと書かれていた。彼は丁寧にノックをして入っていた。それにつられる形で入った。入った部屋はあまりにも無機質に感じた。

「検事、お連れしました。」

「有難う。休んでおいてくれていいんだよ。」

「わかりました。」

篠原はそういうと事務官の席なのだろうか、そこに座りコーヒーを飲み始めた。川城はそれ見とどめた後に話し始めた。

「それでお話というのは?」

彼なりの強気な一言はこれまでの経験が含まれていると思ってしまった。必要のないものを得てしまったが故にこうなってしまったのとも・・・。

「俺たちは貴方に警戒されるような人じゃありません。」

宗と村上はそういって名刺を差し出した。すると、川城は固い表情からむしろリラックスしたような顔になった。

「姉貴の関係でしたか。申し訳ないです。脅かすつもりはないんですけど、仕事柄質の悪い人がアポなしで来るもので・・・。」

「悪事を働く連中ですか?」

「そうです。親父が最初にそれをやって恩恵を受けたことで姉貴も行っていてそこから逃げるために探偵になったんです。ある意味、篠原も被害者ですよ。姉貴の時から事務官として働いてきたんです。残酷な話ですよ。」

篠原は自分の話をされているとしてもそっちのけで聞かないようにしているようにも見たのだ。そこまでしないと見えてこないのかもしれない。

「姉貴は確か貴方たち2人の名前を言っていたんですよ。笹田さんは惜しいことに警察によって行われた誤認逮捕が原因でやめたと聞きました。そこからいろんな探偵事務所を転々として今や事務所をたてるまでになっているとは・・・。」

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