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悪事の導き

毎日流れるニュースが過ぎ去るのを待っているように流れているものだと思うのだ。その一部に過ぎないのだ。最初のうちは騒ぎ立てるが、きっと時間が全て解決するかのように全くしなくなってしまうのだ。時折思い出したかのようにするくらいに過ぎないものだ。

 龍哉はそっと分厚い本のようになった資料を見つめていた。そこにはいったい何を示しているのだろうかと思ってしまう。

「川城尚子っていう名前を見つめたんだよ。村上さんはそこの探偵でしょ。」

「そうです。」

川城尚子が行っていた裁判ではもっぱら起訴されてしまって実刑を食らっているパターンが多いのだ。それは翁助が携わった事件と類似しているのだ。

「真犯人は捕まらずに金で雇われた人間か、もしくは全く関係ない人間を裁判に上げたうえで裁判官と検事とつながっている状態になっているわけだ。弁護士がいくら無罪放免をいったところで聞く耳を持たないっていうシステムだよ。」

「それで亡くなった人っていうのはいなかったんですか?」

「いたさ。関係もないのに証言があるからとか物的証拠があるっていうことで捕まった人間がな。その人は前に殿山製薬で広報をしていたんだよ。まぁ、もともと増岡とつながっていたんじゃないのか。むしろ、使い物にならないと思って此処に担ぎ上げたに過ぎないね。」

龍哉が見つめて資料には藤川正治と書かれていた。久保田はいっていたのだ。コネで入社してその上責任を取ることなく逃げて行ったといっていた。別の製薬会社で営業をしていたが、そこまであまりいい成績を残せなかったこともあったのだろうか。殿山製薬で行ったことが表ざたにされてしまったら困るから犯人として捕まえたのだろうか。

「そこに確実に携わっているのは増岡勉と川城三郎だ。あの2人は大学こそ違ったは法科大学院であったんだよ。増岡はもともとは弁護士になりたかったこともあってつながりがあるんだよ。けど、増岡は実家を継ぐ話になりあきらめたという話がある。」

そこで川城三郎は法科大学院に残って検事になるという道を叶えたのだろう。その時はそのままで終わったのだろうが・・・。増岡勉にとっては息子のこともあって黙っていてほしかったのだろうから。

「利害が一致してあんなことをずっとしているのか?」

「そうだ。増岡勉は政界をやめたとしても隠居しても力はあるんだよ。息子が総理大臣だったんだからな。息子のことを消すには川城の力が必要になってくるっていうわけだ。」

権力にはそこに手を貸す権力の力添えがあってこそになってくる。龍哉が示したのは2人の悪事に過ぎなかった。


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