表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/242

テーブルの上の束

コーヒー代は村上が持つことになった。急に向かうことになったことにしたとしても彼は愚痴一つ言わなかった。きっとそれは理由があるのだろうと思ったのだろう。

「川城三郎について調べたりしないのか?」

「調べているよ。所長は三郎のことを気に入らないこともあるからな。実の父親とは言えだよ。犯罪を抑制をしているというよりかは黙認しているんだから嫌なんだろうな。」

「それを弟が担っていることを知らないわけないだろうか。だからこそ、兄弟であったりもしなかったりするんじゃないか。」

家族間の問題に発展していることをわからないのだという。三郎にとっては家族よりは組織内の地位のほうがよっぽどいいのだろう。家族が見えていなかったうえに川城尚子は検事というものをやめてしまったのだ。それが何を意味していることすら分からないままになってしまっているのだろうか。もしくは知らぬふりをしていることで進むことがあるとでも思っているのだろうか。

「川城三郎は特に一流の大学を出たとかいうわけじゃないんだよ。なんでか検事になった時には大きな事件を扱ったりすることは少なかったのに一時から扱うようになったんだよ。多分だけど、政治家やら経済界の重鎮の子供の事件を黙認することで上に上がったんじゃないのか。立派な家庭で育ったわけではなかったぽいし。」

「それはあり得るな。訴えられたとしても検事として逃げる方法もあるだろうし、簡単に見捨てるわけにはいかないから天下り先くらいは用意できているんだろうからな。」

尚子はそれも知っているのだろう。表立って訴える方法をすることができる人が限られてしまった現実は残念では済まないくらいの次元になってしまったのだ。冤罪で捕まった人も出てきているのにも関わらず、その人の保証なんざ全くないのだ。明らかになったとしても謝罪もろくにしないのだろうから。人の人生を甘く考えてしまったが故に引き起こしてしまっているものの大きさを知るべきではないかと思ったのだ。

 2人で話しながら歩いてるうちに白笹探偵法律事務所が見えてきた。看板がないが故の不便さがありそうだが、それでも成り立っている現実には抗えないのだ。事務所に入ると奏斗は疲れたのか、パソコンの前に寝ていたのだ。

「おう、戻って来たか。」

「龍哉が出る幕まで発展したのか。」

「裁判の資料を得るには俺がいるだろう。それに事情が複雑になってきているんだよ。」

龍哉はそういって資料をテーブルに出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ