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何事も我慢にも限界があります!

作者: 七瀬






___私は、子供の頃からずっと我慢してきた。

私が10歳の時に、お父さんとお母さんが【離婚】したの。

私の5つ下の妹は? お母さんに引き取られて。

私は、お父さんに着いて行く事になったわ。




・・・でも?

本当は、私もお母さんに着いて行きたかった。

でも、お母さんが私にこう言ったの!


『___二奈ちゃんは? お父さんに着いて行って! わたしは

理奈ちゃんと行くわ! 大丈夫! 二奈ちゃんはお姉ちゃんだから

泣かないでお父さんの支えになれるわよね?』

『・・・でも、私も、』

『・・・ごめんね、二人も子供の面倒をみれないのよ! お母さんも

必ず! 二奈ちゃんに会に行くから! その時まで、待ってて!』

『・・・ううん。』

『二奈ちゃんは、お姉ちゃんだし! お利口さんね!』

『・・・・・・』





___お母さんは、私がお父さんに連れられて行く時に

そんな事を言ったのに、、、。




・・・結局、

お母さんは、私が20歳になるまで。

一度も私に会いに来る事はなかったわ。

私は、必死にお父さんの力になれるように。

ご飯も作り、掃除や洗濯、買い物までするようになったの。




・・・それなのに。

お父さんは、お母さんと別れて1年も経たないうちに。

他の女性ひとと再婚したのよ!


お父さんの再婚相手は、綺麗な女性ひとだった。

血の繋がらない私にも、とっても優しかったしね。




___だけど?

お父さんと再婚相手の間に、赤ちゃんが出来ると、、、?

急に、再婚相手の女性ひとは私に冷たくなったの。

一気に、私の居場所がなくなってしまった。




___だから?

私は、高校を卒業すると! 寮に入って仕事が出来る場所を

選んで家を出たわ。





 *



___もう! 私の居場所がないあの家が嫌いだったから。

私の事を見てくれないお父さんも再婚相手も大嫌い!

私が、居なくなっても誰も心配もしてくれない!




___どうせ!

お父さんと再婚相手との間にデキた弟が、可愛いに決まってるのよ。

私じゃない! 年の離れた弟がね。




 *



___唯一!

私が、連絡を取っていたのがたった1人の妹だった。

お互い、寂しい想いをしていたから。

私と妹は、夏休みやお盆休み、お正月など会える時に、

お父さんやお母さんに内緒で、コッソリと会っていたわ。

お互いの近況報告をすることもあったしね。




___お母さんも、私やお父さんと離れてから。

半年ぐらいで、再婚したらしいの。

再婚相手は、子連れで。

妹より2つ下の女の子だったらしいの。



___急に、血の繋がらない妹ができて。

私の妹も最初は、凄く嬉しかったみたい。




・・・でも?

血の繋がらない妹は? 物凄くワガママで。

お母さんは、妹の事ばかり気にかけるようになったんだって!




___私の妹も。

ずっと、一人だったって! 言ってたわ。

お互いの気持ちを、共有できる唯一の人が。

“私の妹”だったの。




 *



・・・私が20歳になった時、あの時以来はじめて。

私に会いに来た、お母さん。



___すっかり、

私の中で、“母親の存在は無くなっていたのに!”

今更、何しに私に会いにきたのかな?


『___ごめんね、1度も! 二奈ちゃんに会いに来ないで!』

『・・・何しに来たの?』

『・・・あぁ! そうそう、二奈ちゃんに急に会いたくなってね?

元気にしてるのかなって!』

『・・・私は、いつも元気だよ。』

『・・・そう、』

『お母さん、少し痩せたんじゃないの?』

『・・・そうかな、お母さん! 二奈ちゃんの事を1日も忘れた

事がないんだよ!』

『・・・ううん。』

『・・・お母さんが、二奈ちゃんに会いに来て! 二奈ちゃん嬉しい?』

『・・・・・・』

『___本音で! 話してくれていいんだよ!』

『・・・もう、来ないで!』

『・・・えぇ!?』

『“私のお母さんは、もう亡くなっていないから!”』

『・・・・・・』

『私がお父さんと一緒に出て行った時に、死んじゃった。』

『・・・二奈ちゃん、』

『でもね? 妹の理奈を悲しませるような事があったら? 私がお母さん

を許さないから! 覚悟してて!』

『・・・・・・ううん、』





___私は、ずっと我慢していた事をお母さんに言ってしまった。

本当は、お母さんに着いて行きたかったのに...。

もっと、お母さんに甘えたかった...。

いろいろ、お母さんに聞いてほしい事もあったのに...。

もっともっと、お母さんと話をしたかった...。






・・・でも、

そんな事はお母さんに直接、何一つ言えず。

お母さんとは、あれっきりだ!

本当に、私に急に会いたくなったのかな?

お母さんの、口から直接聞きたい事がいっぱいあったのに! 

物凄く、私は後悔している。




最後までお読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 読ませて頂きました。 主人公の複雑な心境が伝わってきました。
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