二人の悪魔
それから歩くこと数時間、(正確にはわからない)何匹もの下位悪魔を倒しながら奥へとゲーム感覚で進んでいく。
次第にLvも上がり7になっていた。
上位悪魔が俺の前に現れる。
上位悪魔は下位悪魔がほんの少し人ぽくなった感じで下位魔法を使えたはず。
「グラァァ!!」
下位魔法:『散炎弾』が飛んでくる。
俺は中位魔法:『氷結壁』を使い『散炎弾』を防ぐ。
「グルゥ!?」
「上位魔法:『引き裂きの腕』」
「ガラァ!?」
上位悪魔の四肢が見えない腕に掴まれる。
ぶちぶちと、鈍い音がし最後には抵抗出来ずに引き裂かれ死んでしまった。
黒く光る粒子が俺の体の中に入ってきた。
『Lv8に到達しました』
先ほど使った魔力が回復したように感じる。
気を取り直して奥?へと進もう。
だんだん上位悪魔しか出てこなくなった。
ここまででわかったことが主に二つ。
一つ目は能力についてだ。
種族能力はクールタイムなしでの重ね掛けが可能。
固有能力はクールタイムが3分必要で重ね掛けするとした分だけクールタイムが長くなる。
例えば『邪悪執行』の暴虐化と精神狂乱を重ね掛けした場合クールタイムが6分になるのだ。
だが、精神狂乱のみを使用した場合は精神狂乱は3分間使えないが、他の暴虐化や弱者暴食は使えるのだ。
まあ同じ個体に使用したら重ね掛け判定食らって6分になったけど。
二つ目、お腹が空かない。
良いことなのか分からないが、食料がないこの状況ではありがたいことなのだろう。
さて、上位悪魔を始末したんだが多分進む方向は奥で間違ってはいないと思われる。
なんせ出てくる悪魔が強くなってきているんだから。
次は下位騎士悪魔でも出てくるのだろうか?
下位騎士悪魔は上位魔法まで使えさらに剣を使うため実際かなり面倒くさい相手だ。HPは1200〜2000ぐらいあるため初心者が出くわしたら逃げないよダメだ。
「グラァァァ!!」
「ガフゥ!!」
「ベギャァー!!」
ん?なんか悪魔の断末魔が聞こえてくるんですが?
「ギャルゥガァ!!」
あれ〜?なんかこっちに下位騎士悪魔みたいのが逃げてきてるんですが?
手がない。
上位騎士悪魔でも現れたのか?
「ルガァァァ!!」
どけ〜どけ〜!!みたいなノリで下位騎士悪魔は襲い掛かってきた。
上段から振り下ろされた剣を俺は金剛の皮膚で防ぐ。
ガァーン!!と言う金属音と共に下位騎士悪魔の剣が弾かれて宙を舞う。
「おらぁ!」
腹パンをしたらぶっ飛んで行った。
まあ飛んでいる途中に死んだんだけどね。
コツ
「素晴らしいですね、お姉さま」
コツ、コツ、コツ、、、
「ええ、このような強大な悪魔がいようとは思ってもいなかったわ」
コツ、コツ、コツ、、、
「貴方を、、」
コツ、
「「私たちが排除する」」
「え〜?なんでこんなところに上位悪魔戦士が居るんですかね?」
上位悪魔戦士は上位騎士悪魔の超強化バージョンでAD.worldの中でも上位に位置する悪魔系キャラだ。
男女という性別があり男は斧、女は大鎚を使い、魔法はなんと超位魔法まで使いこなす。
身体はほぼ人間であり悪魔の尻尾と羊のツノがあるくらいだ。
二人の上位悪魔戦士はそっくりだが髪の毛が朱色と蒼色でどっちがどっちだかはっきりわかった。
「それだけの強大な力、名前付き?」
「え?なにそれ?」
「知らないようね」
「お姉様、やりましょう」
いや待てよ?ネームドってなに?
そんなシステムAD.worldに入れてないぞ?
話を聞きたい。
「しょうがない。『悪魔の心装』:恐怖の覇気!」
「っひぃ」
「っな!?」
お姉様とか言っていた蒼髪の悪魔はへたり込んでしまってる。
「あ、貴女、、何物?」
「おぉ、恐怖の覇気食らって震えだけででどうにかなっているのか」
「逃げなさい!」
「お姉様、でも、、」
「早く!」
「話聞きたいから逃がさないよ。第一位階魔法:『不通の結界』」
「な!?」
「『悪魔の心装』:殺戮の意思、『悪魔の体装』:威圧の眼光、第二位階魔法:『束縛の鎖』」
殺戮の意思と威圧の眼光により二人の悪魔は動けなくなりあっけなく俺の手から射出された黒い鎖のより捕縛された。
「ひぃ!、、、」
「っく!」
「さて、お話をしようか、いい話ができれば君たちの命は保証する」
「、、、分かった」
「質問だ。ここはどこだ?」
「魔界」
「ふむ。名前付きとは?」
「私たち悪魔や天使、又魔物は名前が与えられると強くなる。原理はわからない」
「つまり名前がある奴は強いということか?」
「ああ。だが人間は例外だ」
「なぜ襲った?」
「私たち悪魔は倒せば倒すほど強くなる。知らないのか?」
は?そんな設定を作った覚えは無いぞ?
て、言うかまだまだ知らないことが多くありそうだ。
ここで殺すのは待ったいないしなぁ。
自我がある悪魔は少ないし、、
「よし!」
「な、なんだ?」
「お前ら俺の仲間にならない?」
「「え?」」
「いやだって魔界って話し相手少ないし戦力は多い方がいいだろう?」
「いや、それはそうだが、、、」
「お、お姉様だけには手を出さないで下さい!」
「へ?」
「やめなさい!ここで助かるにはこいつの部下になるしか、、」
「いや、仲間って、、」
「それでもお姉様には手を出さないで下さい!」
「手を出すってどういうことだよ、、」
「え、あんなことやこんなことを、、」
「しねぇよ!!」
「ふぇ!?」
「え?なんなの?お前らなんでその発想に行き着くの!?」
「だって、貴女美人だし私たちよくやってるし、、、」
「俺に性別はねえし‘そっち’でも無い!」
「わ、私はなんていうことを、、、、ごめんなさいお姉様秘密をバラしてしまいました、、」
「良いのよ。良いの、、、」
「で?どうするの?」
「わかったわ。私は貴女の仲間になる」
「名前は?」
「ないわ。両方ともね」
「呼びにくいし名前つけるか」
「え、貴女ちょっと!」
「お前がノアで、君が、、ネア」
朱髪がネアで蒼髪がノアだ。
それぞれの髪の色に光った。
え?なにこれ?、状態である。
光が収まると明らかに強くなっていた。
この姿は、、、
「な、なぜ最高位悪魔戦士に?」
「だから言ったでしょ?名前をつけると進化するって」
「どうやらステータスが大幅に上昇し、魔法が第三位階魔法まで使えるようになっています」
「第三位階魔法?なにそれ?」
「わかりません」
「お前らって魔法はどこまであると思ってるんだ?」
「え?超位までじゃないの?」
お、思ったよりこの世界のレベル低いな。
それでも一応最高位悪魔戦士は悪魔系の中で5番目に強いキャラだ。
「お前らLvは?」
「38よ」
「29です」
「ひ、低い、、ほぼ発生時と同じじゃないか、、」
ゲームだとLv90未満が少ない方だったぞ?
「貴女は何なのよ?」
「Lv8、お前ら職は?」
「私は『上位魔法詠唱者と『大槌使い』そして『農民』よ」
「私は『上位魔法詠唱者と『大槌使い』です」
「農民とか最下位職じゃん。運悪いな」
「うっさいわね!」
「俺もLvあげしようかな〜」
「それが良いわよ。私もLv8の悪魔の部下は嫌だし」
「どっちが強い悪魔いると思う?」
右と左を差してみた」
「向こうの方が強いのがいるわよ」
「ですがそっちの方角は召喚されやすい地帯ですよ?」
「いこう!」
「え?」
「ぜひとも召喚されよう!」
「えぇぇぇぇ??」
「召喚されたらゴリ押しで逃げればいいじゃん」
「まぁ貴女ならできそうね」
「んじゃけって〜い!目指せ!召喚!」