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悪魔の大王による異世界放浪〜弓と魔法で切り抜けろ!〜  作者: 書くのはいつも唐突に
王国編
21/26

誕生日パーティと神官長とゾンビ


迷宮の外に出ようとした時受付の人に声をかけられた。

「あ、あの!」

「なんですか?」

「大丈夫でした?今日、迷宮の深部で何かあったらしくて物凄い揺れたんですよ?異変とかありませんでした?」

「あ、あ〜。まあ結構揺れましたけどそんなに異変はなかったと思います」

「そうですか。明日は調査隊が派遣されるので迷宮には入れません。間違っても入らないでくださいね?」

「わ、分かりました」

微妙な顔で外に出て行くネアとノアについていき、裏路地に入る。

「やばい。めっちゃ騒いでた」

「そりゃそうよ。あんだけ暴れたんだから」

「でもさ、でもさ、普通四十階層上まで響くとか思わないじゃん!」

「それよりも早く転移しましょう」

「ま、そうだな」

複数転移(マルチテレポート)』を発動し王城の中まで戻ると転移した廊下に丁度バレンバーがいた。

バレンバーは召喚された時にだけ見かけた騎士団長か誰かと歩きながら話をしていた。

内容を聞くとどうやら王女の誕生日がどうのこうの。

なにそれ面白そう。

第四位階魔法:『転移門(テレポートゲート)』を使い、ネアとノアを彼女らの自室に送る。

転移門(テレポートゲート)を閉じ、こっそり二人の後をつける。

二人が止まったところで後ろから驚かそう。

バレンバーの心臓が飛び出なきゃ良いけど。

まず高位魔法:『幻聴』を使いバレンバーたちを止める。

振り向いた瞬間、第二位階魔法:『上位転移グレーターテレポーテーション』を使い二人の背後に回る。

「む、今何か物音が」

「侵入者ですかな?」

あ、いつもの口調じゃ騎士団長さんにバレちまうな。

女言葉使おう。

「侵入者ではないと思いますよ?」

「ふむ、では一体なぜ物音がぁぁぁ!!??」

「うぎゃぁぁぁぁぁ!!!!」

騎士団長がやっべえ顔してる。

歴史的名画の「叫び」みたいになってる。

「どうもお二方。良い夜ですね」

良い夜かは知らんけどとりあえずそう言っとく。

「あああああ!デミル殿!驚かさないで下さいますか!?心臓が止まるかと思いましたぞ!!」

「私からもお願いいたします!」

「ほんの出来心です。それで、なんの話をされていたのですか?」

「うーん。少しお待ち下さい」

騎士団長とバレンバーがコショコショ話を始める。

とか言っても聞こえてるけどな。

(どうしますか?タフィニーニャ殿下の誕生日の祝賀会のことを知らせるのですか?)

(しかしバストロ殿。国王陛下より殿下には近づけるなとのご命令が出ていたはずでは?)

(どうすれば良いと思いますバレンバー殿?)

(最悪別の話を、、)

(それしかないですな。では話は適当に合わせます)

「そろそろ相談は終わりましたか?」

「は、はい。実はデミル殿が住まう予定になられる家の工事に少し遅れが出てしまいましてな」

「本当ですか?」

「ほ、本当です。木の太さが合わないものがあったみたいで、、」

「本当にそうですか?」

「は、はい」

何だろう。

少し虐めてきたくなってきた。

「実は先ほどから会話聞こえていまして、、」

「なぁ!?」

「流石に誤魔化しきれませんでしたか、、」

「それは置いておいて何故タフィニーニャ殿下にお会いできないのです?」

「そ、それはですね、、、、」

なんだかかわいそうになってきた。

「分かりました。木の太さが合わないということにしておきましょう」

「助かります」

「私からも何か贈り物を差し上げた方がよろしいですか?」

「絶対にやめて下され!!いいですか!?やるとしても下位魔法以下ですよ!?」

「それはバレンバー様が使える最高位の作成系魔法でしょうか?」

「いや、私は中位魔法:『中位魔法道具作成クリエイトミドルマジックアイテム』が使えるくらいですが、それでもこの国の国宝のマジックアイテムですら高位魔法ほどの力が出る程度ですので、超位魔法などは使わないでくだされ。絶対ですぞ?」

「分かりました。では、より上位の位階魔法を、、、」

「やめてくだされ!!!お願いします!!!どうかご慈悲を!!!」

「冗談ですわ。では下位魔法で止めておきましょう」

「ありがとうございます」

「あのー、、、、」

空気になっていた騎士団長が声をかけてきた。

先輩にHDPの使い方がよくわからず聞いてくる後輩のような感じになっている。

「何故デミル殿がタフィニーニャ殿下に贈り物を差し上げることになっているのでしょうか?」

「あ、『思念誘導』をかけましたなデミル殿!」

「ばれてしまいましたわ。団長殿もなかなかするどいですわね」

「あっ!デミル殿、そういえばこの前フォースト公爵にマジックアイテムを売ったとかなんとか」

「あ、今まで忘れていました。そういえば中位魔法級のマジックアイテムを、、、」

「終わったぁぁぁぁぁ!!!」

「何がですの?」

「ですから!考えてみてください!公爵に中位魔法級ということは最低でもタフィニーニャ殿下には高位魔法級以上のマジックアイテムを差し上げなければ最悪フォースト公爵派の派閥が力をつけ貴族派閥が最低でも二分、最悪王家・四公爵家それぞれの派閥に亀裂が走り国が二分され内乱が起こるかもしれませぬぞ!」

「そこまで行きますの?」

「ありえない話ではないでしょうね。マジックアイテムは強力な武器になり得ます」

「なんてことを仕出かしているんですか全くもぉぉぉぉぉ!!!!」

「そう絶叫しないでくださいバレンバー様。上位魔法の良いマジックアイテムを揃えますので、、」

「そんなことしたら王家派閥と貴族派閥で二分されるでしょうがぁぁぁ!!!最低でも一個にしておいてください!一個に!」

「分かりました。善処します」

「ですからどうしてデミル殿がタフィニーニャ殿下の、、、」

「もう諦めるしかないわい!そうじゃなければフォースト家の力が高まり王国が二分される恐れがある!!」

どう足掻いても無理そうだな、と思ったバストロ近衛騎士団長であった。









さてと、何か楽しそうなものにも参加できそうなので、本来の目的に戻るとしよう。

本来の目的とは今回の戦争で俺が殺した人間を媒介とした不死系魔物(アンデット)の作成だ。

もちろん実験を兼ねている。

現在戦没者は両国含めて慰霊碑を建造する予定の場所の近くに墳墓を作り、埋葬しているところで、未だ作業は終わっていないと予想される。

つまり死体が何千と放置されている状態でありアンデットのための死体なら大量にあるのだ。

上位転移魔法グレーターテレポーテーション』を発動し『呪雨』を発動した真下に転移する。

『呪雨』を発動した場所の真下、つまり帝国領内の三万の兵がいた位置、ということだ。

降り立った場所に死体はなく恐らくすでに回収済みであるという事が窺われた。

視界の隅で聖なる光が光った。

「既に少数のアンデットが発生したから死体を清めているのか?ま、いっか」

聖光が光った方向に透明化魔法と飛行魔法を使い近づいていくと合計で650程の動死者(ゾンビ)と4体の動死者騎士(ゾンビナイト)、そして動死者王(ゾンビキング)が100名ほどからなる神官たちに向かって歩いていた。

「く!数が多い!」

「上級神聖魔法:『聖光』!」

「下位神聖魔法:『浄化』!」

神官たちの神聖魔法により十数体のゾンビが消え去っていく。

魔力が切れたら場所を交代し魔力があるものが前線にでる。

「神官長!もう魔力が!」

「神よ!我らに御身の力を分け与え給え!下位神聖魔法:『神聖属性付与』!」

「神官長!?無謀です!」

神官長と呼ばれた剣を持った女性がゾンビの大群の中に突っ込んでいく。

このままでは彼女は死んでしまうだろう。

まあ別に関係はないのだが勇気を表して少し手助けをしてあげよう。

悪魔にはどんな事があっても神聖魔法が使える事はないので少しどうしようか迷う。

「だったら聖剣でも作ってそれで戦わせるか?ま、それでいっか」

高位魔法:『神聖属性道具作成魔法クリエイトホーリーアイテムマジック』を使い聖剣を作り出す。

作り出した聖剣を掴み神官長の場所まで投擲する。

聖剣は光りながら神官長の所まで飛んで行った。

さて、どうなるのかなぁ






〈2時間前・要塞都市『ベルダティヤ』某教会にて〉

神官長・リリアンはこの教会の長である司教に会うために教会の裏口から司教の部屋まで歩いていく。

道中神官たちが膝をつき頭をさげるがいつものことなので気にしない。

神官長とは司教と同等の地位にある特殊な役職で主な仕事はアンデットの浄化である。

司教の部屋の前まで行き、ドアの前で身なりを確認しノックする。

「リリアンです」

「どうぞ」

掛け声とともにドアを開き中にいる司教の元へと急ぐ。

リリアンはこの部屋に来るたびにこう思う。

司教の部屋は広い。

まあ、たまたまこの教会を建てる都合上こうなってしまっただけだが、、、。

無駄な考えを追い払い司教に向き直る。

「グーラー司教。どんな要件です?」

「座ってくださいリリアン神官長。そして落ち着いて聞いてください」

「手短に」

「まず今回の戦争で三万の死者が出たことはご存知ですよね?」

「もちろん」

「それでアンデットが生まれる可能性があるのも」

「もちろん承知の上です」

「ではここからが本題です。死者の処理をしている時に700程のアンデットの群れが発生しているのが確認できました」

「っな!?」

「そして、私が雇った冒険者からの情報ですが動死者騎士(ゾンビナイト)の発生が、、」

「早急に向かいます!幾人か神官を貸してください!」

「待ってください!」

「まだ何か!このままでは多数の被害が、、、」

動死者王(ゾンビキング)らしきものを冒険者が確認しました」

「、、は?」

動死者王(ゾンビキング)です」

「う、嘘ではないんですよね?」

「はい。神に誓って」

「っく!」

「どこに行かれるのですか!」

「このままでここが、、サランや他の町が危ないです!刺し違えてでもゾンビどもを!!」

「待ってください!」

司教の制止の声も聞かず神官長は司教の部屋を後にする。

(一体どうなっているの!?ゾンビキングが発生するなんてただ事じゃないわ、、)

「冒険者にも依頼として要請するしかなさそうね。全く、あの黒い雨のせいで!!あ、ちょっと君!」

「神官長様!?どうされたのですか?」

「今すぐ神官を根こそぎ霊廟方面の城壁に集めて!神聖魔法が使えるものなら誰でもいいから!」

「わ、分かりました」

「それと君の仲間に冒険者組合に行って緊急招集をかけてきてと伝えて!早く!!」

「は、はい!!」

若い男の神官に任せ彼女は教会の外に出る。

動死者王(ゾンビキング)

それは人型のアンデットの中でも最高位に位置する魔物である。

Aランクの魔物であり、小さな町程度なら眷属を率いて壊滅させることができ、更に周囲の殺した人が多ければ多い程眷属の動死者(ゾンビ)が多く、強くなる。

神官長の現在の強さのランクは魔物として置き換えればB+ランクだ。

これは動死者騎士(ゾンビナイト)と同じぐらいの強さである。

だが相手はキングだ。

知性がありその剛腕は大木すらなぎ倒す。

それでいて俊敏性があり搦め手を使う。

異常な再生能力で生半可な攻撃では足止めにすらならない。

(どうやっても勝てないじゃない!どうすれば、、、)

神官長の顔は暗い。

だが、その目はまだ諦めていなかった。






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