表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔の大王による異世界放浪〜弓と魔法で切り抜けろ!〜  作者: 書くのはいつも唐突に
王国編
18/26

終戦会議と迷宮第四十階層

短めです

完全中立国家:『ビリマ王国』

その国はいかなる戦争から手を引き完全な中立を保っている国である。

この国は中立であるため終戦の会議や国家間の交渉で使われることが多い。

この国で今日も一つの終戦の為の会議が行われていた。


〈ビリマ王国首都王都ビリマ:王城三の丸三階会議の間〉

ここにいるのは二大国の大使と立会人が一人。

バレアルス王国大使オースティン・キルミネスタ・バーナード伯爵

バキスタ帝国大使クラウス・ベスマキア・ディミトロフ伯爵

ビリマ王国宰相秘書官ビリリアント・マキナ

両者は丸い円卓の反対方向に座り真剣な顔つきでお互いを見つめている。

先に口を開いたのはバーナード伯爵であった。

「それで、どうするのです?あなた方帝国は」

「我が国は甚大な被害が出た。賠償金を貴国に求める」

「あの原因不明の雨のことだったら我が国は関係はない。それに攻めてきたのは貴国だ。こちらこそ賠償金を要求したい」

押し黙る帝国。

そう。

本来なら帝国は敗戦国といってもいい立場なのだ。

だが国力は帝国が勝っており終戦のきっかけとなったのは王国の戦略でもなんでもなく“謎の雨”であるから王国の勝利とも言えない状況なのだ。

無駄に終わった戦争。

様々なことを除いて結果だけを見ればこの言葉が一番この戦争にあっている。

「ディミストフ伯爵殿、私は貴国に半永久的な相互不可侵条約を提案する」

「なっ!?」

「これは貴国に三万もの兵が死んだ戦争でもう攻めるなと言っているのと同義だ。正直平民の反発も大きくなるだろう。それでも貴国は、、、、

「ふははははは!!!」

「む。何かおかしいか」

「いや。なにもおかしくないとも」

「では?」

「まさか貴国も我が国と同じことを考えていたとは」

「成る程。ならば笑うのも仕方なかろう」

「そこで貴国に提案がある」

「なんだ?」

「我々はもう二度と戦争をしないということを発表した際、両国の友好の証として戦没者の慰霊碑を作り他国にアピールしようじゃないか」

「なるほどな。そうすれば貴国の平民の反発も治るというもの。そして対外的には漁夫の利を狙われなくて済むという話か」

「そういうことだ」

「良いでしょう。マキナ殿、条約紙はあるか?」

条約紙とは魔法で保護され国家間、或いは連盟間などの重要な会議のみで使われる紙であり、条約を破ったところで天罰とかはくだらないものの破けず燃えず濡れずシワも作らない超高級紙である。

「分かりました。これでございます」

「ありがとう。ではサインを」

両国の大使の名前と立会人であるビリマ王国のサインが書かれこれを持って両国の戦争は終わったに等しい。

「では終戦のサインを」

「む、そうだったな」

「こっちが主目的ですよ、お二方」

「なかなかいうなマキナ殿」

「ほめ言葉として受け取っておきます」

終戦及び非武力干渉・相互不可侵条約が締結され両国が立ち上がる。

「そうだ。戦没者を祀る神殿的なものを作ってはどうです?もちろん両国負担で」

「その話はまた今度にしよう。よろしいかな?」

「無論、問題はないですよ」

両大使が立ち上がりそれに続いて立会人も立ち上がる。

彼らはそのまま会議の間を揃って出て行き会議の間は静かになった。

部屋の端にあるカーテンのようなものが揺れる。

透明化の魔法が解除され出てきたのはバレンバーとデミルであった。

「うまくいったな」

「そうですな。中位魔法:『思念誘導』、素晴らしい魔法です。して、デミル殿?両国の不可侵条約の締結はわかりますが何故戦没者を祀る慰霊碑を作らせるのです?」

「そうだな。戦争が終わった後に人々が戦争に対し抱く印象はなんだ?」

「うーむ。どういうことですか?」

「少し付け足そう。大勢の人が死んだ戦争に抱く印象はなんだ?」

「大勢が死んだ悲しい出来事、ですかな?」

「その通りだ。そこで慰霊碑をつくることによって、戦争を起こした国と国が反省し二度とこのような戦争を起こしませんよアピールをすることで、両国が友好な関係に戻り他国の戦争への介入を防ぐ、っていうのもある」

「他には何かあるのですか?」

「慰霊碑があるののならその近くに墓がある方が良いだろう?」

「魔法の実験ですか?」

「その通りだ。そういえば職位変え(クラスチェンジ)はしたのか?」

「いえ。方法を教えてもらえませんでしたので」

「今魔術師(ソーサラ)だっけか?だったら魔力切れの状態で自身の最高位魔法を300回行う、魔物を一撃で倒すのを300回行う、パーティーを組んだ状態で300回魔法を使う、そして強化魔法を纏って魔物に20回突っ込む、だな。そうすれば『魔術師之頂(ソーサラマスター)』にクラスチェンジできる」

「成る程!」

「戻るぞ。第三位階魔法:『複数転移(マルチテレポート)』」

二人の姿がかききえる。

今度こそ会議の間には誰もいなくなり静寂だけが残った。






〈数時間後デールの迷宮第四十階層・ボス部屋前〉

はい!

皆さーん!

こんにちわー!

どうもデミルです!

今私はデールの迷宮第四十階層ボス部屋前にいるのですがどうしてだかわかりますか〜?

そうですLv上げです!

いやーそろそろ剣とか使いたくなってきたし今のステータスじゃ最上位天使である熾天使(セラフィム)のLv50以上とか来たら確実に負けますしね〜。

そういえば天使の賢王は存在するのだろうか?

実はあまり居て欲しくない。

だって敵だもんねー。

「あなた何やってるの?頭おかしいわよ?」

「うるせぇな」

「それよりも早く行きましょう」

「いや今回は俺一人で行くからいいぞ」

「なんでですか?私達なら全然消耗してませんよ?」

「じゃあきてもいいがお前らは手を出すな」

「わかったわよ」

ボス部屋前の大扉が開く。

中に入ると扉が閉まり一体の大きな鮫の頭を持ちコウモリの翼を持つ人型の悪魔の血脈(デビルライン)が現れる。

この悪魔の血脈(デビルライン)の名は鮫翼魔人(シャークヘッド)というデビルラインである。

そしてその横には一体の悪魔、鷹悪魔(ホークデビル)が入る。

鷹の頭と鷹の翼を持つ遠距離攻撃を得意とするタイプの悪魔でかなり面倒くさい。

HPもあまりない弱い悪魔なのだが鮫翼魔人(シャークヘッド)は近接と中距離特化なので連携を組まれたら面倒だ。

「二人は下がっていろ」

「はいはい」

鮫翼魔人(シャークヘッド)が突進してくる。

手には大きな氷の斧が握られておりその冷気は周囲を凍らせていた。

「あらよっと!!」

突進してきた鮫翼魔人(シャークヘッド)の鼻を殴る。

痛そう。

鮫翼魔人(シャークヘッド)は飛び上がり氷斧から冷気の波動、『氷結地獄(アイスヘル)』を使って攻撃してきた。

氷結地獄(アイスヘル)』は鮫翼魔人(シャークヘッド)が持っている氷斧は『冷徹なる氷斧(アイスアックス)』という名の特殊な斧であり上位の武器の特徴である武具能力が付与されている。

その一つが『氷結地獄(アイスヘル)』である。

万物を凍らせる冷気は突如出現した超位魔法:『獄炎(ヘルフレイム)』により相殺される。

蒸発した氷が周囲を覆う。

突如50本程の下位魔法:『爆散矢(ボムアロー)』が上空から飛んできた。

残念ながら弓矢戦だとこちらが有利になるだろう。

でも今回は魔法のみで戦う。

超位魔法:『倍反射(ダブルリフレクション)』を発動し『爆散矢(ボムアロー)』をはじき返す。

「ガァァァァァ!!!」

鮫翼魔人(シャークヘッド)が斧を振り上げ遅いかかってくる。

ステータス任せの移動で鮫翼魔人(シャークヘッド)の背後に回る。

「鋭利な翼」

背中に鋭い羽先を持った羽が生える。

そして飛ぶ。

羽先により鮫翼魔人(シャークヘッド)は絶命し大量の経験値が入ってくる。

『Lvが37に到達しました』

おっと、Lvが上がったようだ。

鷹悪魔(ホークデビル)と同高度まで飛んでいく。

大量の矢が飛んでくるが一発もあたりはしない。

そのまま『鋭利な翼』で鷹悪魔(ホークデビル)を横に真っ二つにし地面へと戻った。

だが経験値は入るがLvが上がることはなかった。

だんだんとLvが上がりにくくなってきている。

実はAD.worldには色々なキャラ設定がある

自身のプレイキャラを作る時に種族や格好を選べるのだ。

実はその中で基礎値が高い種族ほどLvがだんだんと上がりにくくなっていく傾向がある。

ボス部屋に帰還の魔法陣がと第四十一階層ボス部屋前に行く扉が出現する。

第四十階層クリアである。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ