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悪魔の大王による異世界放浪〜弓と魔法で切り抜けろ!〜  作者: 書くのはいつも唐突に
王国編
15/26

開戦2


「何者です!!」

私は土煙の中の人影に向かって問いただした。

だんだんと足音が近づいてくる。

私は天使だ。

天使に攻撃するものは悪であり悪魔の仲間である。

「何者だって?ミリーを攻撃してきたクソ天使を殺しに来たんだよ」

「クソですって?天使は正義。正義に対し攻撃するものは悪。正義が悪を滅ぼすのは道理でしょう」

「人の大切なものを傷つけて何が正義だ」

「戦うしかないようですね!」

先ほどの様な攻撃を受けてしまった場合かなり不利になってしまう。

ならば接近戦が有利であろう。

常に最速で切らなければ多分私は不利だろう。

ならば使用回数が限られるが魔法に対しかなりの耐久力を持つ武装が良いでしょう。

「『聖なる天使の武装ホーリーエンジェルアーマー・【耐性(レジスタンス)(アーク)】』!」

中位三隊以上の天使のみが使える神聖属性の装備を解放する。

その武装は聖なる光で魔法の効果を激減させ下位の悪魔や悪魔の血脈(デビルライン)接触した場合瞬時に消滅する。

そしてこの武装は神聖魔法の力を強めるのだ。

「高位神聖魔法:『聖炎(ホーリーフレイム)』!」

聖なる属性を宿した白い炎は悪を焼き尽くしこの世を浄化する。

聖炎(ホーリーフレイム)』はだんだんと悪魔に与するものに近づいていく。

(貴方が悪いのですよ。正義を否定するから)

「『黒炎鎧(ブラックアーマー)』」

が、『聖炎(ホーリーフレイム)』は突如現れた黒い炎に阻まれ消滅した。

「な、何がおきた!なぜ強化された神聖魔法が消失する!」

「お前の正義とやらが弱いからじゃないのか?」

「何を!」

最速の一刃は黒い炎に包まれた男の鎧に阻まれる。

黒炎に包まれたフランベルジュが私の頬を掠める。

「『黒炎波(ブラックウェーブ)』」

「『聖刃波(ホーリーブレード)』!」

聖なる斬撃と黒い炎の波がぶつかり合う。

ものすごい衝撃波を立て消滅した二つの技は周りの生存していた両国の兵士や天使と悪魔を含めた生命を塵に変えた。

土煙に紛れ能天使が上空から切り掛かる。

「はぁぁぁぁ!!!!!」

「『黒炎柱(ブラックピラー)』」

男がフランベルジュを地面に突き立てると円型に黒い炎が発生した。

轟音とともに帝国や王国の軍からも見えるほど巨大な黒炎の柱が立つ。

「ぐぁ!!」

「『黒炎噴射ブラックレディエーション』」

「『退魔の聖盾フィッディングホーリーシールド』!」

黒炎を白く光る盾が防ぐ。

上空へと舞い上がり私は槍を出現させる。

「『聖槍の鉄槌(ホーリースピア)』!」

「『黒炎の舞(ブラックダンス)』!」

その瞬間男の頭上に光る大量の槍が尋常じゃない速度で降り立つ。

天から降り注ぐ『聖槍の鉄槌(ホーリースピア)』は舞うように登る黒炎を突き抜ける。

出現した黒炎に消滅させられる聖槍の鉄槌(ホーリースピア)も多く、男に届いたのはたった一つだった。

「聖なる槍に貫かれ死ぬがいい!!」

聖槍の鉄槌(ホーリースピア)』は黒炎の鎧を砕き男の胸に深々と刺さった。

更に地面にすら大きなクレーターを作り男を串刺しにすると『聖槍の鉄槌(ホーリースピア)』は消えていった。

「さすがに死にましたか。さて一旦退き、っ!?」

突如上空から男が放った黒炎に似た炎が私に迫る。

退魔の聖盾フィッディングホーリーシールド』で防ぎ放ったものを探す。

「どこを見ている?」

「っな!?」

地面から黒炎が吹き荒れる。

痛みが私を襲う。

正義がこんな結末であってたまるものか。

くそ!忌々しい!

「そこかぁぁぁぁ!!!!!」

魔力を感知した方向に高位神聖魔法:『聖炎(ホーリーフレイム)』を放つと見事あたり黒炎が消えた。

すかさず魔力がある方向に『退魔の聖盾フィッディングホーリーシールド』を展開しながら『聖刃波(ホーリーブレード)』を使い更に『聖槍の鉄槌(ホーリースピア)』の用意をする。

土煙の外に出て男の姿を確認する。

「『聖刃波(ホーリーブレード)』!」

「『黒炎壁(ブラックウォール)!」

黒炎の壁が『聖刃波(ホーリーブレード)』を弾いて消え去る。

ここしかない!

男は体勢を崩しており『聖槍の鉄槌(ホーリースピア)』を避けられるとは思えない。

「『聖槍の鉄槌(ホーリースピア)』!!!」

「っな!?」

急いで避けるがもう遅い。

数本は周りを囲うように地面に刺さり二つは男の足と腕をかすった。

「っぐ!『黒炎放射ブラックレディエーション』!」

「『聖刃波(ホーリーブレード)』!」

男の黒炎は事前に用意しておいた退魔の聖盾フィッディングホーリーシールド』により男の黒炎は阻まれ私の『聖刃波(ホーリーブレード)』は男の胸に太刀傷を与え男は膝をつく。

「ごはぁ、はぁはぁ」

「私の勝ちのようです。なかなか強かったですよ」

「『黒炎(ブラックフレイム)』!」

「まだ足掻きますか。高位神聖魔法:『聖炎(ホーリーフレイム)』」

ぶつかりあった二つの炎は衝撃波と共に爆発した。

が、黒炎は多少押し負けていたようで爆発は主に男の方に降りかかった。

「正義に仇なす人間よ。最後に言い残すことはありますか?」

「『黒炎柱(ブラックピラー)』!」

「範囲が狭くなっていますよ?当たりませんね」

「、、、、、、、、」

「なんですって?まあいいです。『粛清(パラッジ)』」

魔力を高めるとだんだんと周りに刺さった聖槍が光り始める。

聖槍は光の縄を発生させ男に巻きつかせた。

縄に力が入る。

遂に男の体が耐えきれなくなり弾け飛んだ。

「これで終わりです。『聖刃波(ホーリーブレード)』」

能天使は血が吹き出た体に向かい『聖刃波(ホーリーブレード)』を放つ。

これでもかというほど男を肉片にした能天使は違和感を感じる。

肉片が燃えていたのだ。

全てが燃え尽き跡に残ったのは能天使と聖槍のみ。

「いったい何が?」

「『黒炎爆破(ブラックボム)』!」

能天使を黒き炎の爆発が襲った。







引っかかってくれて助かった。

黒炎柱(ブラックピラー)』で『黒炎分身(ブラックアバター)』を発動をごまかして一旦逃げる。

そのあとに油断しているところを『黒炎爆破(ブラックボム)』でダメージを当てるという寸法だ。

再び『黒炎分身(ブラックアバター)』を発動し三人に分身する。

天使が剣を持ってかかってくるがどれが本人かわかってないようで攻撃が無茶苦茶だ。

途中途中に『黒炎噴射ブラックレディエーション』でダメージを与えて場所を交代し分身に『黒炎噴射ブラックレディエーション』を使わせて撹乱する。

「なぜ正義である天使に刃向かうのです!」

「「「おまえがミリーを傷つけたからだ!」」」

「あの娘は攻撃してきたのです!ならば攻撃を仕返すのが当然でしょう!」

「「「知るかぁぁ!!!」」」

一斉に『黒炎噴射ブラックレディエーション』を放ちダーメージを入れる。

突如に天使の足元に召喚魔法陣が現れる。

「天使召喚!!!おいで下さい!力天使(ヴァーチュース)様!」

一体の天使が召喚される。

その天使は武器も何も持っておらず戦力にならなさそうな感じだった。

だが油断は禁物だ。

出るところを叩く。

分身を行かせると近づいた瞬間に分身が倒され消えていった。

「っ!?」

「ふむ。能天使(エクスシア)、行け」

「っは!!」

能天使(エクスシア)と呼ばれた天使がこちらに向かってくる。

召喚で魔力を使い切ったのか神聖魔法は使ってこなかった。

嫌な予感がし『黒炎壁(ブラックウォール)』を使う。

今なら見えていないかもしれない。

ジャンプをして『黒炎噴射ブラックレディエーション』を放つ。

力天使(ヴァーチュース)と呼ばれた天使が光を放つと『黒炎噴射ブラックレディエーション』が不自然に湾曲し力天使(ヴァーチュース)に当たる事はなかった。

「何を!」

力天使(ヴァーチュース)様の奇跡です。貴方にもはや勝機はのですよ!」

再度力天使(ヴァーチュース)が光を放つ。

体が重い。

重みはだんだんと強くなり最後には動けなくなるほどになった。

「ック!」

「これで攻撃し放題ですね?」

聖炎(ホーリーフレイム)』が僕の体を襲う。

HPが減っていくのがわかる。

これはまずいかもしれない。

「これで止めです」

能天使(エクスシア)が剣を振り上げた。




ナナタリーが能天使に『黒炎爆破(ブラックボム)』を放っている頃。

空中で紅茶を飲みながらくつろいでいる者が三人。

デミル、ネア、ノアの三人である。

椅子とテーブルが空中に浮いており紅茶は飲み終わると最適の温度かつ最高の味で自動的にティーポットから注がれる。

だが誰も彼女達に気づくことはない。

「おお!やってるやってる。強くなったな」

「で?ナナタリーに何したの貴方」

「何をしたって言われても黒炎の応用を教え込んだ後武器を作って上げただけだ」

「それであれだけ強くなったと?」

「まあそういうことだ。『限界突破』のステータス2倍は発動し終わったようだしここからが勝負だろうな」

眼下には『黒炎分身(ブラックアバター)』で能天使に死んだように錯覚させて『黒炎爆破(ブラックボム)』を放ったナナタリーとそれに驚いている能天使がいる。

ナナタリーの残りHPが5割、能天使が3割。

ナナタリーが優勢だ。

先ほどの『黒炎爆破(ブラックボム)』がよく効いたみたいだな。

ナナタリーは『黒炎分身(ブラックアバター)』を使い三人に増えた。

「あ、そういえばミリー忘れてた」

「私がさっき行って回復させておきました」

「ナイスノア。それで何か言ってた?」

「誰?と言われました」

「どっちに?ミリーの仲間に?ミリーに?」

「どっちもです。ミリーの方は数秒後気付いたようでした」

「ま、いいや」

再び観戦モードに入ると能天使が押し負けていた。

因みに『黒炎分身(ブラックアバター)』は数が多くなると分身の力も弱まっていく。

今の『黒炎分身(ブラックアバター)』は二体だから一体づつが本体の四分の一の強さになる。

分身一体の場合は二分の一になり三体の場合は六分の一になる。

言ってしまうとどれだけ分身してもステータスの合計は本人の二分の一にしかならないのだ。

話が逸れた。

ナナタリーは分身によって撹乱し所々『黒炎(ブラックフレイム)』や『黒炎噴射ブラックレディエーション』を放って確実にダメージを与えている。

お?

如何やら能天使(エクスシア)が天使を召喚するようだ。

召喚魔法陣が光を放ち一体の天使を召喚する。

能力的には能天使(エクスシア)の一個上の力天使(ヴァーチュース)あたりだろう。

流石に今のナナタリーじゃきついな。

やばくなったら入ろう。

「かなりヤバめだと思うのですが如何しますか?」

「やばくなったら入る」

「もうすでに押し負け始めてるけど?」

「HPが一割切ったら」

「貴方って非道ね」

「俺たち悪魔なんだが?」

「それもそうですね」

分身が倒され二体一のナナタリー君は絶体絶命。

ナナタリーは『黒炎壁(ブラックウォール)』で攻撃を防ぐとそのままジャンプして上空から『黒炎噴射ブラックレディエーション』を使い攻撃する。

力天使(ヴァーチュース)がその力を発動し黒炎の軌道を反らした。

力天使(ヴァーチュース)が操る力は『奇跡』。

物理法則を操り格下の攻撃を全て別方向へ反らし重力すらも支配する。

万能に聞こえるが実は難点があり神聖魔法や様々な武器が使えない。

しかも格上には『奇跡』の効果は効かないので例え重力を強くしても行動を阻害することはできない。

格上に囲まれたりしたらお陀仏だ。

「あ、重力強めにしたな」

「かなりやばくないですか?あれ。動けてないじゃないですか」

「最悪第五位階魔法:『蘇生(リザクレクション)』を使って復活させるし死にそうになったら第五位階魔法:『時間停止(タイムストップ)』か第四位階魔法:『時間遅延(タイムディレイ)』を使って助けるから大丈夫だ」

「貴方ね。普通は時間を操ることなんてできないのよ?」

「普通じゃないと思ってくれ。そう言っている間にナナタリー君やばいですね」

「そうね。どうする?」

「行くか」

地上に恐怖が舞い降りる。




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