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悪魔の大王による異世界放浪〜弓と魔法で切り抜けろ!〜  作者: 書くのはいつも唐突に
王国編
12/26

魔法戦とそれぞれの話し合い

「おらぁ!!」

「無理無理無理無理!!!!」

「無理でもやれ!!!」

「この速さはちょっとひどいです!!!」

「知るかぁー!!!!」

今何してるかって?

デールの迷宮第四十階層に休憩地点があるのだがそこでネアとノアを扱いている最中なのだよ。

弓は使ってない。

流石にそれするとあまり持たないからな。

「くそ!第三位階魔法:『地獄の炎浪(ヘルウェーブ)』!」

「第五位階魔法:『暗黒の海(シャドウオーシャン)』」

黒と赤が混ざった炎の波動が巨大な黒い津波にかき消される。

その津波はネアとノアを飲み込み第四十階層を水浸しにした。

遠くから悪魔の断末魔やらキレた声が聞こえるが気にしない。

フライで二人は上がってきた。

「第四位階魔法:『三連星(トリプルスター)

三つの隕石が出現し二人を狙う。

「うそ!?第三位階魔法:『退魔の防核(フィーディングバリア)』!!」

「なんですかこれ!?第二位階魔法:『獄炎壁(ヘルフレイムウォール)』!」

二つの隕石は二人の障壁で破壊されるがその反動により障壁は破壊されもう一つの隕石が二人を襲った。

ネアのHPは5割、ノアのHPは4割まで削れた。

魔力は大体6割程度かな?

回復魔法を使って傷を治していく二人。

魔力も減っていく。

ちなみに俺は見られてもいいように偽装しているのでHPは6割、魔力は3割しかないように見せている。

実際はHP9割、魔力は8割ある。

「あなたは良心ていうものがないの!」

「そうですよ!もう少しハンデをくれてもいいじゃないですか!」

「良心?ナニソレオイシイノ?」

「ふざけるな!ばか!あほ!」

「じゃあハンデだ。俺は今から第三位階魔法以下しか使わない」

「言ったわね。あなた今の魔力量私より低いわよ」

「全然オッケーだ」

「第二位階魔法:『混乱の吹雪(ウェルタースノー!)』!」

「第一位階魔法:『狂乱の風(マッドネスウィンド)』!」

「おお!?そうきたか!」

この二つを合わせると自分の位置がつかめなくなり超混乱状態に陥る合わせ技で結構有名だったやつだ。

不意打ちをするには超有効な技で剣職がいたらなお凶悪。

とは言っても異常状態超耐性があるので混乱に陥らないのだ。

「第三位階魔法:『世界的(ビックウェーブ)』」

みなさんこの名言を知っているだろうか?

『世界的ですもんねー。乗るしかないこのビックウェーブに』

だいぶ昔の言葉なのだがそういう言葉になぜか詳しい俺の先輩がいてこの魔法の名前をつけるときにめちゃくちゃ進めてきたのでこの名前になったのだ。

結果的にその言葉を知っている人がめっちゃ面白がってビックウェーブ縛りなんていうのも出たくらいだ。

先輩はモヒカンに感謝をとか言っていたけどよくわからなかった。

衝撃波が魔法を弾き飛ばして二人が見えるようになる。

「うそ!?」

「出力がおかしいです!」

「終わろうぜ。なんか疲れた」

「あなたのHP結構減ってるわよ」

「いや、偽装してるだけ」

魔法を解除して本来のHPと魔力を見せる。

二人はあっけにとられた表情をしていたが気にしないほうがいい。

休憩所を出てボス部屋近くまで行く。

ここのボスは確か上位悪魔騎士グレーターデモンナイツの変異種で二刀流の少々厄介な相手だったはずだ。

まあ余裕だろうけど。

三人でボス部屋に入るといきなり襲い掛かってきた。

ネアの大槌でつぶれた。

ご愁傷様。

転移の魔法陣が開き外へと出られるようになる。

魔法陣を発動して外に出ると結構暗かった。

「暗いわね」

「入ったのが結構遅かったんですから仕方ないですよ」

「それもそうか」

三人で王城の自室に転移をしてねっころがる。

あくまで各自の自室なので今俺は一人だ。

「っ!?」

帝国の方向に天使の気配を察知する。

帝国が天使を召喚したのか?

おそらく俺たちの対抗策として投入するつもりだろう。

『おいネア、ノア!気づいたか?』

『ええ。天使のようね』

『これくらいの力。恐らく能天使あたりですね。私達なら勝てそうです』

『おまけとして権天使と大天使も複数いるわね』

『俺はバレンバーに話してくるからここにいろ』

『了解』

『分かりました』

王の執務室に転移をしてみる。

だがそこには誰もおらず見張りの騎士すらもいなかった。

執務室を出て王を探す。

会議室が騒がしかったので少し覗くと王とバレンバーそして四人の公爵と護衛の騎士がいた。

『バレンバー。聞こえるか!」

『デミル様!?なぜここに!?』

『帝国が天使を召喚した。恐らく能天使が一体、権天使と大天使が数体いる』

『何ですと!?ただいま王にお伝えしますゆえしばらくお待ち下さい』

バレンバーは王に耳打ちをし王はものすごく驚いている。

会議が一旦中断され今度はバレンバーから話しかけてきた。

『デミル様。王と話した結果公爵にのみあなた方の存在をお伝えすることになりました』

『分かった。それと天使を召喚したってことは』

『はい。情報漏洩の可能性が高いと思われますな』

『その通りだ二人を呼んでくるから少し待ってろ』

『分かりました』

転移で彼女らの自室に行くとこんな時なのにキスしてる最中だった。

何やってるの君たち?

天使召喚されてるんだよ?

ギャーギャー言ってたけど事情を話したら素直についてきた。

会議室の前に転移をして中に入る。

「何者だ!」

「良い。それよりも公爵たちよ。ここで見たこと聞いたことはすべて極秘事項だ」

「分かりました」

中にいるのはまずフォースト公爵。

ミリーの父親である腰には一昨日彼に売った剣がついている。

どうやら気に入ってくれたようで何よりです。

次にデブッチョのオッサン。

汗すごいなお前。

三人目はマッチョの男で明らかにTHE・武人。

四人目若、19歳ぐらいの超青年で若々しい。

「紹介しよう。この方が我が国の軍事協力者であるデミル殿、ネア殿、ノア殿だ」

「よろしくお願いいたします。デミルと申します」

「ネアです」

「ノアです」

一人は見定めるように、一人は蔑むように、一人は興味なさげに、一人は欲の目で俺たちを見た。

最後のやつ?もちろんデブだ。

「デミル殿右奥からフォースト公爵、右手前がヌッソール公爵、左奥がベナトリ公爵、左手前がスローデン公爵だ」

「ご丁寧にどうもありがとうございます」

ヌッソールってどっかで聞いたことあると思ったら図書館の蛙じゃないか。

あの子供は父親に俺のことを聞いただろうか?

今までヌッソールは俺のことを知らなかったと思うから嘘だと思ってるかもな。

まさかデブがヌッソールだとは。

親子は似るもんだなぁ。

体系的な意味ではない。

フォーストはすごく興味なさげに俺たちのことを見ている。

その剣返してもらおうかな?

蔑むように見たのはベナトリ公爵だ。

軍事協力者がこんな小娘だとは笑えるなとか思っているんだろう。

スローデンの若造はすっごい目を細めてこちらを見ている。

「国王陛下。どういうことですか?このような小娘がこの度の戦争の協力者ですと?何かの冗談でしょう。そのような細い腕では剣も持てますまい」

「口を慎めベナトリ。不敬だぞ」

「いえいえ国王陛下。そもそもこの者たちは何者なのです?必要であればお預かりして従順にしてみせましょう」

なんだとこのデブ?

変態じゃないのか?

「私はどちらでも構いません。早く娘を捜索したいのでな」

「この者たちはかなりの実力者なのでしょう?私は異議はありません」

娘を探して枢機卿に売って法国に恩を売って援軍をつけたいのか?

それなら一人で事足りるから捜索する必要がないよ。

スロ−デン。君はいいことを言った。

君はこの中で一番まともだと思う。

「バレンバー以上の実力者だ。貴様らなど足元にも及ばない者たちだ」

「陛下!幾ら何でもそれはないでしょう!バレンバー殿や我々公爵を凌ぐ実力などありますまい」

「私はあると思いますよ」

「スローデン殿は黙っていていただきたい!」

「静まれ!!!」

まさに鶴の一声。

王が一喝しただけでみんな静かになった。

「静まらんか!今回の戦争にはスローデンを総指揮者にする。だがデミル殿たちはその指揮下に入る必要は無い。別行動をお願いする。」

「それがいいと思いますわ。味方を巻き添えにしてしまったらこちらも気分が悪いですし」

「陛下!なぜですか!?」

「わからんのか馬鹿者。ベナトリ公爵、貴様は今回の戦争には参加するな」

「なぜなのですか!お教え下さい!」

「ヌッソール!それとフォースト!貴様達はこの後残れ!」

「分かりました」

「会議を終わる。ベナトリ。なぜ貴様が外されたのかよく考えることだな」

ベナトリ公爵が追い出されスローデンは自ら出て行った。

いま中にいるのは俺、ネアとノア、バレンバー、ヌッソール公爵とベナトリ公爵だ。

『デミル様。これで良いのですか?』

『はい。彼らには少しお話がありまして』

『口調が変わt』

魔法を解除して二人の公爵に向き直る。

実はこの部屋に入ったあと紹介された時にバレンバーにこの二人を残しておくように伝えておいたのだ。

「ヌッソール様」

「なんだ?私に取り入りたいのか?」

キモいんだよこのデブオヤジ。

これから少し青くなるかもしれないけどしょうがない。

教育が悪かったと思って諦めろ。

「実は御宅のご子息と図書館争ってしまいましてね。ご子息から何か聞いていらっしゃらないでしょうか?」

「な、何を言っている?し、知らんな」

「まあいいですわ。ベナトリ公爵?」

「なんでしょう?」

「娘さんを法国の枢機卿に差し出して援軍を集められなかったのは残念でしたね。でもその話はあなたが一方的に進めていたように聞こえましたよ?」

「な、何を知っている?貴様何者だ」

「それは本当なのかベナトリ公爵!」

「その通りですよ。ですがなぜこいつが知っているのか見当がつきません」

「援軍の必要はありませんよ?それとヌッソール様?それなりに覚悟をしておいてくださいね?」

転移で自室に戻って寝転ぶ。

疲れるんだよなこの口調。

よし!やるか!



翌日ヌッソールの叫び声が聞こえたらしい。

男の大事なものが麻痺して使えなくなっていたそうです。

ご愁傷様。








〈帝国魔法省・長官室〉

その部屋には三人の男がいた。

帝国七将の三人魔法将ノールデンス・結界将バルタ・召喚将・ガルミルオンである。

彼らは先日の天使召喚において話し合っているところだった。

「魔法省長官さんよ。能天使はどれくらい高位の天使なんだ?」

「それは俺が答えよう結界将。能天使は現在召喚できる天使の中では3番目に上位の存在だ」

「なんで現在なんだ?」

「それよりもまず天使の説明をしよう。天使には上位三隊・中位三隊・下位三隊と分かれていてな一介天使(エンジェル)大天使(アークエンジェル)権天使(アルケー)は下位三隊に入る。中位三隊の中で最下級なのが能天使(エクスシア)だな。その上が力天使(ヴァーチュース)。そのさらに上が主天使(ドミニオンだ)。上位三隊は不明だ」

「不明ってなんだ不明って」

「上位三隊は存在はしていることは確かだ。だが今まで召喚できたものはいない」

「じゃあなんでいるってことがわかっているんだ?」

「天使が証言しているからな」

「そういうことか。人間では召喚出来ずに確認もできないが天界にいる天使たちが存在していることを言っているのだから存在しているというわけか」

「そういうことだ魔法将」

「悪魔はどうなっているんだ召喚将さんよ?」

「悪魔の中で今のところ確認できた最上位個体は上位悪魔戦士グレーターデモンウォーリヤだな天使で当てはめるとしたら主天使(ドミニオン)くらいの強さだろう。まあ流石にバレンバーでは召喚できないだろう」

「どうでしょうかね?」

「け、能天使(エクスシア)殿!?」

「いつの間に!?」

長官室にいたのは昨日召喚された能天使(エクスシア)だった。

人間とはいえ七将と呼ばれる猛者達に一切気配を感じさせることなくこの部屋に入ることなど通常では不可能だ。

三者三様驚愕を露にし能天使(エクスシア)を見つめている。

「天使と違い悪魔の召喚の要素として現れるのは運です。指定で召喚した場合は別ですが現世と魔界や天界を繋ぐのが召喚魔法陣です。近いところに強力な個体がいたならば強い個体が現れるかもしれませんよ?」

「しかしよ。能天使(エクスシア)さんはどのぐらいの悪魔まで相手にできるんだ?」

「私は上位悪魔騎士グレーターデモンナイト程度ならどうにでもなります。まあ下位悪魔戦士レッサーデモンウォーリヤがでたら多少きついかもしれません」

下位悪魔戦士レッサーデモンウォーリヤを多少きついで済ましている能天使(エクスシア)殿にはさすがとしか言いようがありませんよ。相手はSランクの化け物ですよ?」

「それで?いつまで待たせるつもりですか?」

「宣戦布告は3日後あたりになるでしょう。その前に皇帝陛下や戦術将殿と話されては?」

「それが良いかもしれませんね。失礼しますわ」

能天使(エクスシア)が薄くなっていく。

能天使(エクスシア)が使用したのは高位神聖魔法:『聖霊化』である。

この神聖魔法は体を霊体にして万物をすり抜けるものである。

効果は10分ほどで切れてしまい再使用するのに15分かかるが物理無効という特典付きである。

だがデメリットもあり魔法に対する耐性がなくなってしまうのだ。

もちろん透明であるので高位魔法以上の魔法で感知しない限り感知も出来ないのだが。

能天使(エクスシア)は全天使に告げた。

『戦いの用意を!悪魔どもを打ち払う時は近い!!』

開戦の時は近い。





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