サブタイトル必須ってマジっすか?
私の名前は宮野あかり。21歳の大学4年生だ。
就活という名のある意味大学生活の終活を終えて今はもうほとんど大学に通っていない。
大学生活最後の夏は親友の純子と旅行に行こうと思っていたのだけれど、終活に苦戦中の彼女の前では口が裂けてもそんなことは言えなかった。と言っても、もう一ヶ月はまともに顔を合わせていない。
十日ほど前に一度大学で見かけたときには照りつく太陽の下、黒い戦闘服を身に纏い遠目からでも分かるほど疲弊していることが分かったので声を掛けられなかった。
「こんなに純子と顔を合わせない日が続くのは初めてだなぁ」
五日ぶりの大学からの帰り道に私はふと呟いていた。
「ピロリンッ」
言葉が消えたのと同時に聞き慣れない電子音が聞こえた。
一瞬、あたりを見渡したが周りには誰も居ない。普段から私はスマホをマナーモードに設定して持ち運ぶので音が鳴ることはない。しかしやはり私のカバンの中からのようだ。
どうやら教室でカバンに入れた際にボタンが当たってしまったらしい。
純子かな?慌ててスマホの画面を見たら昨日ひまつぶしに登録したマッチングアプリからの通知だった。
「あなたにピッタリの男性が一名見つかりました♪」
いくら機械が進化しても今の私の心境は察知してくれないらしい。純子への思い馳せたこの気持ちを返してくれ、と思いながらカバンの奥底にスマホを放り投げ夕暮れのなか足早に自宅へと向かうのであった。