通信制高校
純粋なる日本人以外はこの国から出ていくべきだ、と言う方はここから先読まないでください。
何故通信制高校なのか、不思議に思う人もいるだろう。
私は幼稚園から各種学校に通っていた。各種学校とは、日本で認可されていない教育を行う学校のことである。
日本国籍ではない私は、各種学校に通っていたので高校を卒業しても高卒の資格が得られなかった。そのため、看護学校を受験するには大検に合格することが必要であった。
その大検を受験するには、通信制高校に籍を置くことが必要なのである。
何て遠回りなのだろうか。私はただ、看護師を目指していただけなのに。
日本の高校を受験すれば良かったのでは?
確かにそう言われればそれまでである。
面倒な手続きもなく、受験にも有利な日本の高校。私は迷った。反対に日本の高校に対する漠然とした不安もあった。見ず知らずの土地で生きていけるかどうかの心境であった。
国籍が違うためにイジメられるのではないかと言う懸念もあった。自分にとってのリスクを避けた結果、私が日本の高校へ行くことはなかった。
通信制高校は、大検の科目に全て合格できるのであれば特に通う必要は無かった。
しかし、レポートと必要な授業の時間数とテストをクリアすれば、単位をとることができる。そう聞くと貧乏性の血が騒ぎ、お金を払っている教科の単位を取れるだけ取った。
そうしている間に嬉しい知らせが届いた。ある程度の単位を取れば、通信制高校の卒業者として認定される。日本の高校を卒業したことになるのだ。
私は、随分と単位を取っていたのですぐに卒業資格を得ることができた。