1.プロローグ
ベルぜです。新作、始めました。
俺、月見里 崩楽は高校男子2年目だ。誕生日は4月1日、成績は理系はトップスリーに入り、運動はそこそこできる。
だが、彼女はいない。
なぜだろう。友人たちに聞いても、
「性格が悪すぎるからだっ!」
というツッコミがとんでくる。
なぜだ、どこが悪いというんだ。たまたま投げた水に濡れた雑巾が彼女持ちの男子の顔面にストライクショットしたり、とあるやつをペド扱いして気をとられてるうちに、ロリコンを容認させて社会的に終わらせようとしただけだろう?
それにしても今日も朝日が眩しいなぁ……。消えてなくなればいいのに……。
あ、1組の山田君だ!確か、彼女がいるっていってたよねぇ。
え?4組の星野さんだって?
こないだ見たときは別の女子といたよ?うーん、誰だったかなぁ……。
あ、思い出した!2組の谷本さんだ!
あれ?今誰か山田くんの方に走っていかなかった?あれ、誰?おーい!
「お前、クズ以外何者でもないじゃん……。」
「いやいや、俺はただ、田中くんの恋愛的な話をしてただけで別になにもしてないよ?」
「お前なぁ……。顔が笑ってるんだよ……。」
「いやいや、今日は気分がいいだけだって(笑)」
「そんなんだから、モテないんだっつうの……。」
「いやいや、関係なくね?」
何てことをいうんだ。
「てか、崩楽、今日は購買のパン買いにいかねぇの?」
「いやいや、弁当持ってきてるから買わねぇよ?」
「珍しいな……。まさか、彼女がで…
「死にたいならそう言え、一輝、その願いを叶えてやる。」
「すいませんでしたっ!」
「頭が高い、土下座しろっ!」
「そこまで!?」
この失礼なやつは小鳥遊 一輝、学年トップ10にはいる成績優秀なやつでさらにスポーツ万能という、ラノベでいう主人公並のハイスペックさを見せつける男だ。だが、アホだ。ちょっとした嘘で騙される。まあ、おれおれ詐欺にはかからないだろうが。
「午後の授業、なにか知ってるか?」
「英語表現、古文、世界史。」
「ドンマイっ!」
「それを言いたかっただけだろっ!」
腹が立ったのでアイアンクローっ!
効果は抜群のはずだっ!
と、アイアンクローをかけようとしたところでそれは起こった。
突然床が輝きだしたのだ。
「なんだこれ?」
回りがギャーギャー騒いでる間に呟いたのはそれだけで次の瞬間には視界は真っ白に染まっていた。
俺の足元、一瞬黒く輝かなかった……?
目を開けると、そこには禍々しく、詐欺師のような胡散臭い笑顔をしたイケメンがいました……。
「って、はぁ!?」
「やあ。」
「やあって、ここどこだよっ!」
「ここかい?」
なんか、嫌な予感がした。
「ここは邪神界さ!」
膝から崩れ落ちそうになった。何でやねん、俺なんも悪いことしてないだろ……。
「……で、用件はなんだよ。素晴らしく胡散臭い笑みをしたなにか。」
「君の姿が写ってるはずなんだが……。まあ、いい。僕はソロモン。『享楽』を司る邪神さ。君に頼みたいことは実に単純。僕に愉しいものを見せてほしいというのと負のエネルギーを集めてほしいということだ。」
「いやいや、俺はあれだから、えーっと、あれだ。性格がいいから、人に負の感情を抱かせるのとか無理だから。」
「君、君の友人に性格が悪いとか言われてなかったかい?」
「何で知ってんだよっ!あれはあれだ。俺の素晴らしさに嫉妬した奴らが勝手に悪評を流しただk
「クリスマスに楽しくデートをしているカップルの仲を引き裂くスイッチが手に入ったら?」
「当然押したあと、追い打ちをかけるに決まっているだろ?」
「君、今とてもいい顔をしてるよ。」
「誉められるとは光栄だなぁっ!」
「ちなみに追い討ちとは?」
「完全に別れさせるために情報操作をしてさらに社会的に終わらせるだけの簡単なお仕事です。」
「いいねっ!」
なかなか、話のわかる神様だ。とにかく、異世界にいくなら異世界ライフのを充実させるため、少しでもたくさんの情報を……。
「で、結構話がそれたが、負のエネルギーを集めるってどうやってやるんだ?」
「僕の加護を渡すから、相手に負の感情を抱かせれば、自動で僕の加護の方に貯まっていくよ。」
「で、転移特典とかあるの?」
「勿論!」
「よっしゃっ!で、どんな能力だい?」
「それはいってからのお楽しみさ!」
「ほほう、まあ、それもありか。」
「まあ、異世界を楽しんでらっしゃい!」
こうして、俺は異世界に転移されていったのだった。それにしても、邪神様、いいやつだったなぁ。
あ、クラスの他のやつ、どうなったか聞くの忘れてた。まあ、いっか。学校より楽しければ。
楽しんでくれれば幸いです。