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探偵と死と恋  作者: 湯島 喜備
第一部:調査(概要)
6/8

調査、一日目(4)

現代。

ここは、知る人より知る人の場所……カフェ店。……看板にはprivate(プライヴェイト) detective(ディテクテイヴ)と書かれている。そこに働いているのは二人。バイトの古都(こと) (たくみ)と所長の沢東(たくとう) 黄泉(よみ)の二人だけだ。


「今日も平和ですね……」

カフェの前で(ほうき)を持つ青年……黄泉は掃除をしていた。

「……そうか?」

カフェ店の建物から出てくる青年……巧はゴミ出しをしている。

「……はぁ、のどかな朝でしょ?」

「………………。ゴミ出し終わったら、仕事、言って来る」

private(プライヴェイト) detective(ディテクテイヴ)はカフェ店と同時に探偵事務所でもあり、依頼があればそっちの仕事もするカフェ店だ。この場合の仕事は探偵の方だ。

「……ああ、気をつけて」

「おう……」

さっさっと、ゴミ出しを済ませ、巧は現場へと走って行く。

「……わかな、調査報告が待っていられない?」

「ま、まぁね……」

黄泉に言われて、わかなはフィッと顔を背ける。今の"若菜"は死んで魂だけの存在になっているから、誰にでも見えるわけではない。だから、はたから見れば黄泉が一人でに喋っているように見える。

「気になるならついて行ってもいいよ」

「な、ならないわよ」

わかなは照れてどこかに行ってしまった。





巧がいる場所に警察の車……俗にいうパトカーが止まっていた。

(ここが、川崎 若菜の家か)

通学路の堀から巧は家の門を眺めている。正式には、家の門にある刑事たちだ。

(入れないかな? どうやって入ろうか?)

"探偵"と言って入ればいいが、あいにく巧は知名度の低い探偵=新米探偵でなりたてほやほやなのだ。

(まぁ、彼女の元教師だったし、なんとかいけるよな?)

そう思い巧は通学路の堀を出て行き、堂々と被害者の家に入ろうとするが、家の門の二人の警察に両脇を掴まれる。

「君、ダメじゃないか? 一般人が現場に来ちゃ……」

「そうそう、だから、早く帰りなさい!!」

それだけ言われて、巧は押し戻される。

(だよな……。異界(あっち)しか早いと思うけど、所長が怖いからな)

異界(あっち)で若菜の記憶構成を見て、犯人を当てると言う事だ。けど、ココの世界ではソレは禁じ手で、どのミステリーの法則を無視するからだ。さながら、逆手に読むミステリーになる。ちなみに、所長とは黄泉の事である。

「あのさ、被害者の担任教師なんだけど、それでもダメかな?」

巧にそう言われ、刑事たちはヒソヒソする。

「わかりました。今、現場担当の刑事に聞いてきますのでしばらくお待ちください」

そう言って、一人の刑事が中に入って行き、もう一人の刑事は門の所に立っている。

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