-プロローグ-
-プロローグ-
ここはどこ?辺りが暗くて怖い。どうしてここにいるの?
「それはね、君は死んだからだよ」
ーーえっ?
暗闇に乗じて、話し掛けてくる声は甲高い。その声と今話された内容で、困惑する。
「その証拠になにも見えないだろ?」
確かに、と納得する。
「けどね、君の"死"はまだ早いよ」
ーーええっ!! どうなってんの!?
うーん? と悩む声の主。
「僕にはわからないな。これは、調査する必要がある」
ーー調査?
瞳を丸める。
「そう、調査。申請を出すから待っててくれ」
ーーえっ、ちょっ……、いいよ。出さなくて……。
「そうか、なら死んでくれ」
その言葉に冷水を頭の天辺から浴びさせられ、凍りつくような感じがした。
ーー死……って、なんで……。
「ここは三途の川。君の意識は"向こう"に渡っていない。僕がつなぎとめているから。だが、"向こう"に行けば、君は間違いなく死ぬ」
なに、その二択って思う。
「君が選べるのは……、"死ぬ"か"生きる"かの選択だけだ」
ーー生きたい!! 訳の分からないまま死にたくない。
「……そうか。なら、明日の朝に会おう」
ーー明日? 明日なのね?
「ああ。それまで、おやすみ(・・・・)
そう言われ、意識が遠のいていくが分かった。