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老人  作者: かおるこ
12/12

登場人物紹介

## 『1Kの境界線』登場人物紹介


### 坂本さかもと 栄治えいじ 67歳


元・中堅機械メーカー技術職。


無口で不器用。油と鉄にまみれて四十年以上働いてきた職人気質の男。五年前に妻を亡くし、勤務先の倒産と軽度の脳梗塞をきっかけに、長年住んだ家を手放すことになる。


「高齢・単身・保証人なし」という理由で賃貸契約を断られ続け、自分が“人間”ではなく“リスク”として扱われる現実に傷ついていく。


頑固で人に頼るのが苦手だが、本来は面倒見が良く、困っている人を放っておけない性格。ひだまり荘での暮らしを通じて、少しずつ「誰かと生きる」感覚を取り戻していく。


口癖は、

「うるさい」

「悪くない」

「俺を何歳だと思ってる」


得意分野は工具修理、棚作り、配線、日曜大工全般。

裁縫は致命的に苦手。


---


### 三浦みうら 結衣ゆい 28歳


地域密着型不動産会社「みどりエステート」勤務。


明るく世話焼きで、感情が顔に出やすい。高齢者の部屋探しが厳しい現実に日々直面しながらも、「仕方ない」で終わらせたくないと考えている。


最初は仕事として栄治を担当していたが、次第に放っておけなくなり、物件探しだけでなく生活面まで気にかけるようになる。


料理好きで、よく煮物やカレーを作りすぎる。

栄治からは「餌付け」と言われている。


感情で動くタイプに見えるが、実はかなり粘り強い。

この物語における“人と人を繋ぐ風”のような存在。


---


### 大河内おおこうち げん 72歳


アパート「ひだまり荘」の大家。


ぶっきらぼうで口が悪く、第一印象は最悪。しかし実際は、過去に経験した孤独死トラブルの傷を抱え、「誰かが死んだ後の現実」を知りすぎている人物。


高齢単身者の入居を極端に警戒しているが、それは差別感情というより“恐怖”に近い。


最初は栄治を拒絶するが、彼の不器用な誠実さを見て少しずつ態度が変化していく。


毎朝、

「生きてるか」

と確認するのが半ば日課。


文句を言いながら誰より面倒見がいい、“昭和の頑固親父”。


---


### 滝川たきがわ はじめ 45歳


NPO法人「シニア安心ネットワーク」代表。


身元保証、見守り、死後事務委任契約などを扱う支援団体を運営している。


理想論だけでは動かない現場を知っており、大家・行政・高齢者、それぞれの立場を冷静に理解している現実派。


柔らかな物腰だが、制度だけでは人は救えないことも知っている。


栄治にとっては、“助ける人”というより、

「一人で抱え込まなくていい」

と教える存在。


観葉植物を贈る癖がある。


---


### 田辺 ハル(たなべ はる) 78歳


ひだまり荘の古参住人。


小柄で腰が曲がっているが、裁縫の腕は超一流。裾直し、ボタン付け、紐通しなど、住人たちの衣類トラブルを次々解決していく。


口うるさいが情が深く、栄治にとっては近所のおばちゃんのような存在。


「まだ使えるものを捨てるな」が口癖。


栄治へ裁縫を教えるが、

「不器用すぎる」

と毎回呆れている。


---


### 佐竹さたけ 恒一こういち 74歳


“ゴミの城”の住人。


かつて中学校の社会科教師だった独居老人。妻を亡くした後、身体機能の低下と孤独から徐々に生活が崩壊していった。


ゴミ屋敷という強烈な存在として登場するが、その実態は「誰にも頼れなかった人」。


栄治に、

「独りは静かすぎる」

という言葉を残し、彼の人生観へ大きな影響を与える。


---


### ひだまり荘


築四十年の木造アパート。


古い。

寒い。

壁も薄い。


だが、物語が進むにつれ、

“孤独が集まる場所”から、

“人の灯りが見える場所”

へ変わっていく。


この作品における、もう一人の主人公。




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