幼馴染
11月は大きな大会がある。
先輩は次の大会で負けたら引退だ。
スポーツ推薦も狙っているから、勉強に部活に大変で忙しそう。
嫌だなぁ。
ミサキが先輩にベタベタしていたら嫌だなぁ。
大会前の練習だし、そんな時間はないと思うけど…帰り道とか…偶然を装って一緒に帰りましょうとかありそう。
ミサキは先輩受けが良いから、先輩たちにも助けてもらいながらアピールするんじゃない!?そうなったら勝ち目はないよ!?どうすんのよ私!!!!
「いでぇー!!!!」
おでこに強烈な痛みを覚えた瞬間、怒号が飛んできた。
ハルト「集中出来ないならコートから出ろ!大会前の大事な時期に邪魔なだけだ!帰れ!」
私はお腹の底から声を出した「すみません!集中切れてました!ごめんなさい!顔洗って戻ってきます!」
3年のハルトは私の幼馴染で先輩のクラスメイト。
ハルト「ったく。今度集中してなかったらコートから弾き出してやる。」
鬼のキャプテンとしてバドミントン部をまとめている。
何とか普段通りに部活に参加出来た。
ここまで掻き乱されると思ってなかったから、自分でも肩を落として落ち込んだ。
テニスコートの方は誰もいないようだ。
先輩とミサキはどうなったんだろう。
「何突っ立てんだ。帰るぞ。」
振り向くとハルトが自転車を押して立っていた。
ハルト「らしくない集中の切れ具合だったな。体調でも悪いのか?」
「給食おかわり出来ないくらいには異変を感じてるよ。」
ハルト「そういう時は早退しろ。おばさんもおじさんも心配するだろ。判断に困るなら俺のところに来い。相談に乗るから。」
「給食のくだりは笑ってよ…。笑ってくれないと逆につらいよ…。それと過保護すぎるよ!取り巻きのお姉様方に睨まれたくないから行かない!」
ハルト「関係ない。おじさんとおばさんからもお願いされてるんだ。何でも頼ってくれ。」
「まぁ…ありがとう。」同じ方向を向いていて良かった。照れた顔を見られるのは恥ずかしすぎる。
ハルト「今日は塾か?」
「そう!今日は塾の日なんだ〜勉強頑張りま〜す」
ハルト「前まで勉強嫌だって言ってたのに、すげえ変わりようだな。」
「ふふふ。塾にも楽しみがあるんだなこれが。」
ハルト「ふ~ん。それじゃあ俺も塾行ってみるか。偏差値的には問題ないけど、環境変えるのも良いだろうし。」
「ダメダメダメダメ。本当にやめて。ハルトにとったらレベル低い塾だから。多分。知らんけど」
ハルト「知らんのかい。体験とかあるだろ。とりあえずそれ申し込むわ。」
「え〜…そ、そう〜?十分成績良いのに…。」
やられた。
これで本当にハルトが同じ塾に来たら、先輩との2人の時間がなくなってしまう!
何なら同じクラスだし、あたしじゃなくてハルトとの会話を楽しむかもしれない!
これは大変だ!
ミサキも塾に行こうかなって言ってたし、先輩との2人の時間を奪わないでぇー!




