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異世界魔法、観察してみたら  作者: 猫チュー
第二章 学園編
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第59話 初登校

 輝く銀髪。少し切れ長な目。端正な顔立ち。

 学園の制服に身を包んだその美少女は、優雅にお茶を飲んでいる。

 王様からの紹介状を持って学園長室に入った僕の目に、最初に映った光景だ。


「なんでここにいるの!?芽結!」


「あたしも貴族なんですけどぉ?」


 いや、違くて。


「……職権乱用?」


「ちょ!言い方!」


「お二人は仲がよろしいのですなぁ」


 3回目かな?


「トータルでね」


 また心の声を読まれてるし。


「話を始めてもよろしいかな?」


「あ、はい。すみません」


 新しい世界に入るんだ。真面目に聞かないと。


「当校の生徒は貴族のご子息、ご息女が殆どです。もちろん教師も貴族が殆どです。レイさんは平民ですので、粗相があると大事になるかもしれないことを忘れないでください」


 僕は神妙な顔で頷く。

 謁見の間でもうやらかしてるからなぁ。

 更に上塗りはしたくないなぁ。


「当校には、さまざまなカリキュラムがありますが、剣術と魔法に関しては、本来男女で分かれます。何故だかわかりますね?」


「はい。魔法の扱い、魔力量に男女差があるからです」


「その通り」


 あー……嫌な予感がする。


「本来レイさんは男性なので剣術の実技を受けるのが正しいのですが、あなたは魔法の実技を受けてください」


「……はい」


 そうだよねー。そうなっちゃうよねー。


「花に囲まれて良かったね。鈴」


 いや、気まずいってば。

 

「……当校の学生である自覚は忘れずにお願いしますよ」


「……はい」


 はぁ。

 うまくやれるのだろうか?


「校内の案内は殿下にお任せします」


 一通りの説明を受けたのち、そう言われて芽結と一緒に学園長室を出た。


「とりあえず教室に行こうか。案内は放課後にしよ」


「りょ」


 しかしあれだ。

 芽結と一緒に歩いているとめっちゃ見られる。

 まぁ、立場が立場だしなぁ。

 てか、芽結は芽結ですごくお淑やかな感じになってるし。

 お姫様だからそうならざるを得なかったんだろうけどさ。

 鞄を腿の前で両手で持つのとか、漫画やアニメでしか見た事ないよ。


「では、わたくしは一足先に教室で待っていますわね」


「似合っていませんですわよ」


 からかうと芽結はほっぺを膨らませた。

 

「私、王女だもん」


 はい。かわいい。


「ごめんごめん。驚きはしたけど、似合っていないとは思ってないよ」


 見慣れない違和感は別として。


「じゃあ、そこで先生待ってね」


「あーい」


 芽結は教室に消えて行った。

 すると、わっと教室内がにぎやかになる。

 今頃根掘り葉掘り聞かれてるのかなぁ?


「……さんですね?」


 あ、そういえば、僕たちの関係とかどう説明したらいいんだろう?

 ここに来るまでの間に確認しとけばよかったなぁ。

 

「レイさん!」


「あ、ハイ!」


「まったく!初日から気を抜きすぎですよ」


「返す言葉もございません……」


 なんか、ずっとやらかしてるなぁ。

 視線を上げると僕の前には女性教師(?)が立っていた。

 こういうと失礼だけど、あんまり貴族っぽくないなぁ。

 というか、ちょっと芋っぽい。


 教室がまたにぎやかになったタイミングで先生が横を向く。

 茶髪茶目。顔には眼鏡。口元にはホクロ。

 肩甲骨くらいの長さの後ろ髪を緑のコサージュでまとめている。

 コサージュとかオシャレに見えるのにね?

 なんで芋感出ちゃうんだろ?

 眼鏡が原因かな?


「あたしはモーリタ。この学級の担任です。よろしくね」


「僕はレイです。本日からお世話になります」


 退職代行サービスの会社みたいな名前だ。

 僕が挨拶を返すと、モーリタ先生は少し驚いた表情を見せた。


「へぇ。しっかりしてますね」


 貴族のお子様ってもっとしっかりしてるものなんじゃないの?


「では入りましょう。挨拶してもらいますので、考えておいてくださいね」


 それ言うの急すぎじゃない?

 僕は心の中で突っ込みを入れつつ、モーリタ先生の後に続いて教室に入った。

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