第26話 サラマンダーより、ずっとはやい!!
どんなに真面目に頑張っていても。
どんなに周りより努力をしていても。
人生とは転がり落ちてゆくことがあるという話を聞いたことがある。
嗚呼、無情也人生。
そう、僕は今ちょうど転がり落ちているところだ。
人生ではなく山の坂道をだけどね!!!!!
時は今から少し前。
……いや、いいか。
言わなくてもわかるよね?ね!?
メリアさんが!僕に!何を!したのかは!!!
わかるよね!?
そう、吹き飛ばされたのだ。
しかも何がやべーって今回はほぼ宣言なしで吹き飛ばしやがった!
「じゃあ、頑張ってくださいね」
ドン!
バランスを崩した僕にもう一発ドン!
である。
「なにが?」とか聞く間もない。
無理だって。
いや、なんとか魔法の発動は間に合ったんだけどさ。
すごーい。僕の能力、まだ伸びしろがあったんだー。こんなに早く発動させられるなんてー。
じゃなーーーい!畜生め!
はぁ……。
ごえいってなんだっけ?
そんなことを思いながら近づいては遠ざかる坂道を見やる。
はぁぁ……。
タキンチ村を発つ時に「平和に帰ってきたい」って言ったのがまさかフラグになっちゃうとはなぁ。
村のみんなは元気かなぁ。
師匠はどうしてるだろう?
まだ出発してから数日だというのに、もうタキンチ村が懐かしい。
メリア?
笑顔でついてきていますけど。
魔力消費がやばくてヤバたんだったんじゃないの?
あーでもそうか、僕を吹き飛ばす工程が最初だけだから、自分自身に風を当てるだけでいいのか。
しかしメリアの何がすごいって、僕が転げ落ちるのと同じスピードで走りながら障害物を避けていることだ。笑顔で。
平原や街道だったら何もないけど、山道は違う。
道と言っても道幅がそんなにあるわけじゃない。
つまり、木の枝なんかが割と飛び出しているのだ。
メリアはそれをこのスピードの中避けきっている。
どうやってんの?マジで。
「いやー速いですねー」じゃねーのよ。
てか下から人が登ってきてたらやばくね?
まぁ、前方はしっかり視認してるし、何かある前に対処するけどさ。
あと、気圧の変化で耳がキーンてなる。めっちゃなる。
まぁそうだよね、この速度だもんね。
はぁ……。
麓まではすぐに着いた。
うぅ……。気持ち悪い。
しかしメリアは容赦がない。
「次の村はすぐそこですし、さっさと行きましょう」
マーーージで鬼畜。
ごえいってなんだっけ?
仕方なく歩き出す。
次はビシッポン領最後の村だ。
何かいいお土産あるといいな。




