第25話 お肉はすべてを解決する
さて、少し早いお昼である。
やっぱね、肉よ肉。
肉がすべてを解決するのよ。
というわけで、まずは熱した石の上でジュウジュウと音を立てているステーキである。
おっと手を合わせていただきます。
メリアらしいというか、お肉はめちゃくちゃ分厚い。寝かした握りこぶしの高さくらいの厚みだ。
調味料は塩とこしょうのみ。
道中に採取したハーブは、まだ乾燥させてないので使わない。
夜にでも乾燥させて砕いておこうかな。
ふーっふーっ。ふーっふーっ。ぱくり。
ぐあー!
肉汁と甘みがやっばー!
これがサーロインか!
日本での実家もさして裕福ではなかったから、サーロインステーキなんて食べたことなかったけど、おいしいわー。
いや、和牛の方が数倍おいしいんだろうけどさ。
え?ナイフ?何言ってんの?かぶりつくんだよ!
なんだろうね。昨日の猪は結構臭かったんだけどな。
牛っぽい香りはかなりするけど、嫌な臭さとかじゃない。
しかしやっぱり肉こそジャスティス!
夢中で貪った。
じゃあ次は焼き肉だ。
石の上でジュウジュウ焼く。
メリアも僕を真似て焼く。
塩とこしょうをかける。
ふーっふーっ。ぱくり。
んー!美味しい!
メリアも満足しているようだ。
うーん。焼肉のたれがないのが悔やまれる。
醤油製造は急務だな。
……大豆ってこの世界にあるのかな?
師匠が言うには大豆に相当する豆は見たことがないとのこと。
そもそも僕は大豆がどんな植物で、どう生るのかを知らないんだよね。
これは前途多難だ……。
そんなことを考えていたら、用意してあった分は食べきってしまった。
うーん美味しかった。
具体的な味は、
まず旨み。これが強い。口の奥がぎゅってなる感覚と同時に強く美味しさを感じた。とても濃厚でございました。
次に香り。野生の水牛だし、泥臭いのかと思ったけど全然そんなことなかった。メリアの処理が良かったのかな?
次に脂。脂の多い部位を頼んだものの、これは少なめでどっちかというとヘルシー寄り。
最後に硬さ。残念ながらこちらもしっかりめの硬さ。脂が少ないからかな。たぶん。
思ってた味とは全然かけ離れていたけど、予想以上に美味しかった。
どうせならあっちで死ぬ前に高品質の和牛食べておきたかったなー。
ま、もう後の祭りなんだけどさ。
では手を合わせてごちそうさまでした!
はー満足。
「じゃあ準備をしたら出発しましょうかー」
メリアに言われて歯磨きをしながら準備をする。
「なんとか麓くらいまではたどり着きたいですねー」
本当にそう。
山はやっぱり大変だもの。
それはそうと、最初はメリアに付いていくので必死で気づかなかったんだけど、メリアはかなり余裕がある様子なんだよね。
僕はずっとハァハァ言いながらの移動なのに。
それと、たぶんだけどペースも僕に合わせてくれてるっぽい。
まぁ護衛なんだから当然っちゃ当然なんだろうけどさ。
なんかこういう気遣いって嬉しいものだね。
……そんなことを思っている時期が僕にもありました。




