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AIの力でダンジョン攻略 ~コンシェルジュAIの言う通り~  作者: 立風館幻夢
第四章 進む浸食

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第92話 他人の力

「ダメだ……グローディ……」


あと少し……あと少しなのに……


「常盤様!」

「……為朝さん!!」


わずかな視界の中、2人が俺に近づいてくるのが分かった。


「早く取らないと!!」


ジャスミンさんにヘッドギアを撮られたのか、俺は情報の海から引き揚げられた。

まるで悪夢から解放されたように、俺は正気に戻り、その場に倒れ込んだ。


「為朝さん……大丈夫……?」

「あぁ……な、なんとか」


ミオちゃんに抱えられ俺は立ち上がった。


「全く……無茶しすぎです」

「す、すみませんねぇ……ほんと」


まるで長距離走を走り切った陸上選手のように、俺はジャスミンさんから飲み物を無理やり飲まされた。

しばらくすると、奴が人間の姿に戻り、ふらつきながら立ち上がった。


「おのれ……人間め、どこに……そんな強さが……」


強さ……か。


「残念ながら、これは俺の強さじゃない……こいつは……社長さん、そして社長さんが作ったAIの力……かな」

「社長……AI……だと?」

「あぁ、俺はただこいつを制御できただけのラッキーな奴だったってだけさ、こいつがなきゃ、あんたをここまで追い詰めることなんてできなかった、俺は……所詮、誰かの力を借りなきゃ、強くなれなかったんだよ」


そうだ、俺だけの力じゃ、こんな強敵、勝てるわけがなかったんだ。

所詮、俺は……


「……フッ、なるほどな、誰かの力を借りる……か」

「?」

「私はわからなかった、人間にはなぜ、ここまで拒む力が存在するのか……それはやはり、誰かの力を借りているから……ということか」

「……」

「私は、他人の力など借りず……一対一で強さを極めていた……誰かの力を借りようなどと考えたこともない……どちらかといえば、貸した数の方が多いかもな、だが……誰かの力を借りるだけで……これほどまでの強さになるとは……私も、まだまだ勉強が必要なようだ」


なんだこいつ、急にしおらしくなったぞ。


「行け、奥に我らが長がいる、そいつを倒せば……」


奥か、よし、じゃあ……


「ッ!?」


……後ろを振り向こうとしたその瞬間、女が急に立ち上がって走り出し、俺らの後ろへと向かった。

そして……


「……え?」


女は……両手を広げ、血まみれになっていた。

女を襲ったのは……。


「な、なんだありゃ……」


見た目は……二足歩行をするコウモリの怪物だった。

しかも、普通じゃないのは雰囲気で分かる、この距離からでも、奴のまがまがしいオーラが伝わってくるのだ。


「くっ……外したか……」


その声は……あのVtuberの? あいつが俺らに妙な噂を?

って、今はそんなことどうだっていい!!


「おい! しっかりしろ! おい!!」


俺は女に駆け寄り、体を寝かせた。


「くっ……私の心配よりも……自分の心配をしたらどうだ?」

「何故だ……なんで俺たちを!?」

「素晴らしい戦いをしてくれた礼だ……奴は戦いの結果に水を差した……それを防いだだけだ」

「そんなことで……」


なんだよこいつ……そんなことの為に命を張るなんて……


「常盤様! あの怪物……様子が変です!」

「え?」


コウモリのバケモノは突如人間の姿になり、頭を抱えて苦しんでいる様子だった。

あれは……女?


「な、なんで……完璧に吸収したと思ったのに……どうして……嫌だ……リラ……きゃあああああああああ!!」


奴は叫び声を上げると、再び怪物の姿へと変貌した。


「フフ……馬鹿な奴だ、この私を取り込むことなど……できはしないのだ!!」


ど、どうする? と、とりあえずグローディを……


「……くっ」


ダメだ……眩暈が……クソ……俺には、こいつを使いこなせないというのか!?


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