第90話 決闘
「だが、そんな卑怯な手もこれっきりだ、お前らで私を倒して見せろ、ただし、一対一で、1人が死んだら次の奴がな」
「……わかった、ここは俺が」
俺が前へ出ようとしたその時……ジャスミンさんが制止した。
「お待ちください、ルカ様の仇が目の前にいるというのに、私がじっとしていると思いますか?」
「…‥だからですよ、ジャスミンさん、戦ってる時に冷静でいられます?」
「それは……」
「ここは俺が……今の俺にはこれもありますし」
「為朝様……それを制御できる状態にありますか?」
「だけど……これを使わなければ勝てる物にも……」
俺とジャスミンさんが言い合っている中、奴は痺れを切らし始めた。
「早くしろ、来ないのなら……私がお前らの中で一人決めてやる……」
「……いや、決まってるさ、俺が行く」
「……ほう、随分ひ弱な奴が最初なんだな、まぁいい」
奴は何かを掃うように腕を一振りし、リングのような結界を張った。
俺と2人の間に透明の壁ができ、介入ができない状態となってしまった。
「さぁ、始めようか……獣化」
奴は狼のような姿になり、爪を立てた。
俺も……
「よし、頼むぞ、グローディ、必ずお前を制御してやるからな」
『おまかせください、私も可能な限り、貴方に合わせます』
「よし」
息を飲み、俺はヘッドギアをセットした。
『グローディネットワーク、接続』
「うおおおおおお!?」
例によって様々な情報が雪崩のように脳の中に流れていく。
だが、同じ目に二回も遭っているともなると、体も多少は慣れてきている……ように感じた。
「さ、さぁ……俺は……準備……完了だ」
なんとか体制を維持し、スプレーを構えた。
「常盤様! あ、貴方……」
「大丈夫だ!! 俺は……戦える」
ジャスミンさんが心配するのも無理はない、事実、目の前にいる敵の居場所が曖昧だ……だが、ここに立っている以上、俺は……戦わなくちゃいけないんだ!
「フン……まともに立てもしない奴に手こず暇もなさそうだ……行くぞおおおお!!」
遅れましたが、あけましておめでとうございます




