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AIの力でダンジョン攻略 ~コンシェルジュAIの言う通り~  作者: 立風館幻夢
第四章 進む浸食

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第89話 仇

「随分と……静かですね」

「あぁ、確かに……」


今まで迷い込んだ洞窟は、入った途端に怪物に襲われていた。

しかし、今回のは実に簡素だ。

ずーっと一本道が続いている、スマホを見ても一本の線がずっと先に続いていた。

なんだろうか、これは……歓迎されていると言うべきなのだろうか?

いや、あの狼の女の発言からしてただの挑発なんだが……。


「……おや?」


スマホを見ると、一本線の終着点が見えてきた。

巨大な長方形が表示されてきたのだ……ここに奴がいるというわけか?


「……為朝さん」

「どうしたの? ……あっ」


目の前、明らかに「どうぞお入りください」と言わんばかりの巨大な扉が見えてきた。

ただの扉だというのに、獰猛な生物かのように威圧感を放っている。


「さて……腹は決まってるわけだし……行くか」


扉に近づき、3人がかりで開けた……

そして、扉の中の様子が明らかになる……それはまるで鍾乳洞の中に部屋を設けたような感じだった。

なんか、いかにも「悪役の住処です」と言わんばかりの感じだった。

そして……この部屋の中央……そこに、一人の女が後ろ向きで座禅を組んでいた、あいつは……


「……あれは、ルカ様を襲った……」

「……」


あいつが……社長さんの仇。

女はこちらの気配に気づいたのか、こちらに振り向いた。


「……待っていたぞ、愚かにもダンジョンに立ち向かう者たちよ」

「ほう、そりゃありがたい肩書だな、全く嬉しくはないが……」


俺たちは攻撃の構えをしながら一歩ずつ近づいていく。

俺はスプレーとライターを持ち、ミオちゃんは刃物類、ジャスミンさんは己の拳を構えて。


「……で、あんたの目的は? ここで一戦交えようってか?」

「……無論だ、ただし、一対一で」

「はぁ?」

「私は元より、複数人で相手をするのは好まぬ……お前らのうちから一人……前へ出ろ」

「……人の仲間を不意打ちで鎮めておいて、よくそんなことが」


俺は率直に思ったことを口にした。

すると奴は……突然として、構えを解いた。


「……あいつは、無事なのか?」

「は?」

「無事なのかどうか聞いているんだ、あの傷じゃ、死んでもおかしくは無いだろう」

「……」


何故こいつは社長さんの安否を気にする?


「……瀕死だ、目を閉じたまま、目覚めていない」

「……そうか」

「……一体なんのつもりだ? 襲った結果を知りたがるなんて、卑怯者の癖に随分と……」

「……私は元より、不意打ちは好まぬ、一対一で勝負をして、勝利を勝ち取る……そんな美学を愛しているのだ、不意打ちについては謝ろう……すまなかった」

「……」


こいつ……調子狂うな、俺らを殺したくて呼んだんじゃないのか?


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