第8話 質問
「どれ、試しにグローディに質問してみろ」
「質問?」
「なに、なんでもいい、『苺とチョコ味どっちが好き?』とか、『真に戦うべきものは何?』とか」
「いや、なんだよその質問」
うーん……なんでもいいなら、そうだな。
「グローディ、さっき大地震に巻き込まれた上に今変な洞窟に迷い込んでいるんだけど、どうやって出ればいいと思う?」
これは今の状況で根本的に気になっている部分だ、さぁ、どう返答するんだ?
『それは大変な状況ですね! そのような状況になった場合はまず冷静になるのが良いでしょう、そして安全な場所へ避難すると良いですね! 以下にその後の対策をお答えいたします……』
……社長さんの「お子さん」は、その後長々と「お役立ち方法」を教えてくれた。
確かに山とかに遭難した際はそれが使えるが、今の状況じゃ何の役にも立たない……。
「おい、社長さん、こいつ本当に優秀?」
「……まぁ、今の状況がそもそもイレギュラーだしな」
「いやそれ言っちゃぁな」
確かに、こんな状況AIでも予測不可能だとは思うが……。
「……って、それならさっきどうやって怪物を認識したんだよ」
「さっきお前を認識した時と同じ方法だ、あいつら以外に間抜けだったからな、簡単にできた」
「あーなるほど」
「さ、我が子の試運転を終えたところで、先へ進むぞトム、グローディ、この先の道案内頼めるか?」
『はい、ただいまより道案内を開始いたします、画面を前方へ向けてください』
社長さんは、悪代官に自らの紋章を見せつける用に携帯を前に出した。
「よし、行こうか」
「あぁ、だがあんたの開発したソレ、信用していいのか?」
「実際お前の分析結果はほとんど間違っていないように見えたが?」
「……」
それに関しては……あまり否定できないな。
「……わかったよ、信用してやる」
「それでいい、行くぞ、トム」
社長さんの案内で、前へと進みだした。
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