第83話 情報量
ジャスミンさんがバイクの鍵を持ってきて、早速開けてみた。
すると……
「これ、いかにも怪しいな」
明らかに何か入ってますと言いたげな、小さめのアタッシュケース。
ロックを解除し、中を開けてみると……
「こいつは……」
映像の中にあった試作品、それが三つ、中に入っていた。
これを装着すると、グローディと一体化する……らしいな。
「……よし」
俺は有無を言わさず装着しようとした……が。
「お待ちください」
ジャスミンさんがそれを許さないと言わんばかりに俺の手を抑えた。
「いくらルカ様が作ったものとはいえ、これは試作品……装着するのは危険では?」
「……ジャスミンさん、社長さんの事信用してるんじゃ?」
「そ、そうですけど……」
「貴方が信じなくて誰が信じるってんですか、俺はやりますよ」
手を振り解き、俺は試作品を装着した。
装着すると、俺の目の中に謎の空間が広がった。
まるでパソコンの中に入ったかのような、はたまた機械と一体化したような、そんな感覚に陥った。
『グローディネットワーク、接続』
そんな声が頭の中に響き……色んな情報が入っていく。
まるでプログラミングされたデータが頭の中に入っていくような、はたまた数多の資料たちが雪崩のように入って行くような……
「……くっ」
なんか、頭がこんがらがりそうだ。
なんか、色々頭に入ってきて……
「うっ……」
やべぇ、吐きそう……というか、なんか体が勝手に動く……
「くっ……あっ……おぇ……だ、誰か……」
今にも何かが込み上げそうになったその時、いきなり周りがノイズのように崩れ始めた。
そして……
「……はっ!?」
気が付くと、格納庫の中へと戻っていた。
戻ると同時に吐き気が込み上げ、それを抑えるように思いきり咳き込んだ。
「た、為朝さん……大丈夫……ですか?」
「はぁはぁ……な、なんとか……」
あぁダメだ……口では大丈夫と言っても、目の焦点が合わない、凄いめまいがする……
全く、社長さん、なんてものを開発したんだ……
場所なんてどうでもいい、今は横になりたい……
「全く……無理するもんじゃありませんよ、私が外したから事なきを得たものの……」
「め、面目ない……」
どうやらジャスミンさんが止めてくれたようだ。
確かに、あのまんまいってたら、下手すりゃ2人に危害を加えていたかも……
「立てますか?」
「いや……ちょっと……無理かも……助けてください」
「全く……鞍馬様、手伝ってください」
めまいで動けない俺を2人が支えてくれたのか、俺はどこかへと運ばれていった。




