第77話 休息の提案
「こんなんで信じるアホがあんなに大勢いたってのか?」
「うん……信じられない……けど……外にいた人……『この売国奴』とか……『Xetaの手先!』とか……」
嘘だろ……こんなことが……
「わけわかんねぇ……社長さんは倒れるわ、変な奴らがやってくるわ……洞窟も増えすぎてるし、政府が訳わかんねぇこと言うし……」
ここからどうしろって言うんだ、俺は何をしろって言うんだ……
洞窟に入るか? でも、入ったら逮捕される、このインフルエンサーを特定して直談判でもするか? だが、それはそれで火に油を注ぐだけ……
「あの……皆さん、今は考えても仕方がありません、一度休んで、明日考えるのもいいと思いますが? どうでしょう?」
……ジャスミンさんの提案、間違いではない、けど……
「今、食事の用意をいたします、腹が減っては戦はできぬって言いますしね」
今はその戦をどうするか考えているのだがな……
「じゃあ……私……お風呂……用意……する」
「いいのですか? ではお願いします」
じゃあ……俺はどうしよう。
このまま何もしないのは……なんか申し訳ないよな。
「あの、ジャスミンさん、社長さんの部屋……入ってもいいですか? 何かヒントがあるかもしれないので」
「……いいでしょう、こちらがルカ様の書斎……そしてルカ様の部屋の鍵です」
「ありがとうございます」
ジャスミンさんはどこからか鍵を取り出して、俺に渡してきた……のだが、受け取った俺の手を離そうとしない。
「……いいですか、常盤様……くれぐれも、変なことはしないように」
「も、もちろん!」
なんでこんなこと言われなきゃならんのだ……と思ったのだが、一応女性の部屋に入るわけだから、そりゃ言うか。
鍵を受け取った俺は、社長さんの部屋へと向かった。
☆
「それじゃ、また次の配信でねー、おつらきゅろー!」
暗闇の中、画面に向かって一人の女が挨拶をした。
挨拶を終え、画面を暗くすると同時に、後ろからもう一人の人影が見えた。
「……こんなところにいたのか、リラ」
「あ、レイちゃーん、頼んだこと、やってくれた?」
「あぁ、お前の指示通り、この国の指導者、そして隣国の指導者も洗脳済みだ……だが……」
「だが、なぁに?」
「……やはり私は、このやり方は気に食わん、私は……正々堂々と戦いたい」
「えぇ? でもそのせいで浸食が遅れてるんじゃないの?」
「……だからこうやってお前の指示に従っているんだろう、だが、次は私のやり方でやらせてもらうぞ」
「……いいよぉ、このまま行けば順調に進むだろうしね」
「よし、ならば手始めに、今いるこのダンジョンを要塞化させるぞ」
「うふふ、そう来なくっちゃね! じゃ、私は……」
2人は、計画を順調に進めていた……




