第74話 罰則
病院を車で出発して数十分。
車の中で色々考えた、会社の事とか、社長さんが不在の中、仕事どうしようか……とか。
しかし、そんな事を考える暇が無くなるとは、この時は思っていなかった。
「……なんか、洞窟の数、増えてません?」
車窓からの景色、それはまさしく異様な光景だった。
別に洞窟があるのは最近ではよくあることだ、だが、初期と比べると明らかに増えている。
「確かに……高速道路も、洞窟が乱立して通行止めになっていると聞いたことがあります」
「これじゃあ一個一個潰してても間に合わないんじゃ……」
あの数、十個潰したところでもう数十個生えてきそうな勢いだ。
竹やミントみたいに地下茎でも形成しているのであろうか?
『えぇ、番組の途中ですが、速報をお伝えします!』
車の中で流れていた音楽番組が突然中断し、アナウンサーの声が乱入してきた。
速報? ラジオで速報なんて滅多に聞かないな……
『えぇ、政府は洞窟の形成状況、そして今後の国民の安全を考慮し、洞窟に入った者に罰則を設けることを発表いたしました、このことについて国会では憲法違反ではないかと議論されており……』
おいおいおい、なんかただ事じゃない事を聞いたぞ?
「洞窟に入ったら罰則って……そんなこと言ってる場合かよ?」
「……同感です」
珍しくジャスミンさんと意見が合った。
もしもこれが本当なら、俺たちの事業がヤバいし、それに……
「中に入ってしまった人たちはどうするつもりなんだ……」
今でこそ、警察や自衛隊はまだ実態を掴めていない。
俺たちもグローディが突然進化して探索できているが、実用化はまだまだだ。
なんてこった……まさかお上がそんな奇声をするとは思わなかった。
そんな事を考えていると、突然車が止まった。
「うぉ!? ど、どうしました?」
「と、常盤様……」
「え?」
「……あれを」
ジャスミンさんが指を差した先、そこには会社兼社員寮である社長さんの家がある……のだが。
「なんだありゃ……」




