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AIの力でダンジョン攻略 ~コンシェルジュAIの言う通り~  作者: 立風館幻夢
第四章 進む浸食

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第72話 変わり果てた姿

「じゃあ、行ってくるから」

「いってらっしゃい!」

「あなた、気を付けてね」


幼少期から、父は頻繁に家を出ていた。

父の仕事は、言わば国を守る仕事、自衛隊員だ。

父はいつも言っていた、「俺はお前たちを守ると同時に、国全部を守っているんだ」と。

俺が誰かを守る仕事に就きたいと考えたのは、そんな父親の影響もあったのかもしれない。

そんな父親だったんだが……


「父さん! 父さん!」


ある日、いつものように家を出た父が、変わり果てた姿で戻ってきた。

訓練中の事故で、帰らぬ人となってしまったんだ、当時、高校生ぐらいだったかな……

憧れていた父親が急にいなくなる、いつかはそうなるだろうと思ってはいたけど、こんなに急に来るとは思っていなかった。

やっていた部活も辞めてしまい、変わり果てた父を見てトラウマになったのか、何かと言い訳して自衛隊にも、警察にも入ることは無かった。

それで、防衛産業の会社に入って、仕事して、怒られて、それで……



「……ん?」


俺……なにしてたんだっけ? 確か、ミオちゃんと洞窟の中に入って、それで……


「……」


部屋の中に響く一定のリズムで鳴る電子音、それで俺は全てを思い出した。

そうだ、社長さんとジャスミンさんが血まみれになって、一緒に救急車に乗って、俺は……


「社長さん……」


目の前に眠る社長さん、それは前まで調子よく俺をからかっていた元気な姿ではなく、ベッドの上で点滴とコード類が繋がれた姿だった。

繋がれた心電図が生きていることを示してはいるが、果たしてこれは生きていると言えるのだろうか……


「……常盤様、起きましたか」


……後ろから声が聞こえ、俺は振り返った。


「ジャ、ジャスミンさん……」

「なんですか、そんなバケモノを見たような表情は」

「い、いや……その……生きてたんですか」

「御覧の通りピンピンですよ」


ジャスミンさんは確かにピンピンしている……のだろうか?

頭には包帯が巻きつけられていた、傍目で見たら心配になる姿だ。


「あの……ジャスミンさんは大丈夫だったんですか?」

「えぇ、私は何とか……ですが……」

「……」


ジャスミンさんの言いたい事は分かる、社長さんは……守れなかった。

ジャスミンさんの表情は、どこか複雑に見えた。


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