第70話 氷からの解放
「……さて、グローディ、この洞窟の力の源はどこにあるの?」
『この先、約300m先です』
なるほど、ということは、社長さんもその時にはすぐ来るだろう。
「……ていうか、社長さん、遅くないか?」
普通なら、バイクで颯爽と現れて「よう! トム!」と言ってくれるはずなのに。
「為朝さん……どうしました?」
「いや、社長さん遅いなって……」
「社長……」
あぁ、そうか、ミオちゃん、社長さんと会うの気まずいよな。
「安心しとけって、社長さんとは事情を一緒に話そう、な?」
「……社長、許して……くれますか?」
「……絶対許してくれるさ! 寧ろ『金の無駄にならなくてよかった』とかなんとか言ったりしてな」
「……フフ、そう……ですね」
「……でも、ただ戻るのは法律的にまずいらしくてさ……だから、ミオちゃんの保護者とされる人にはちゃんと連絡しないと、戻ったら家庭裁判所……とか行くかもしれないけど、大丈夫?」
「はい……」
「……よし!」
俺たちは同意を示すように、握手を交わした。
「行こう、ミオちゃん、出口はすぐそこだ!」
「……はい!」
俺たちは、光へ向けて走り出した。
☆
「……見えた! アレだ!」
進んでいくと、終着駅が見えてきた。
……結局、社長さんは最後まで来なかった、一体何があったんだろう? ここまで来ると、何か事故でもあったんじゃないのかと心配になってくる。
……まぁいい、とりあえずこの洞窟を何とかしなくちゃな、というかやっぱり寒い……凍え死ぬ。
「さ、ミオちゃん」
「……はい!」
共同作業のように宝石を外すと、洞窟は光を放ち、俺たちはそれに覆われた。




