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AIの力でダンジョン攻略 ~コンシェルジュAIの言う通り~  作者: 立風館幻夢
第二章 二度目の遭遇

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第49話 完璧じゃない

「よーし、段々近づいてきたぞ!」


そこから数十分、段々と終点に近づいてきていることがスマホを見てわかる。

それにしても、同僚の姿が見えない……無事なのだろうか。


「なんだ? 何か心配事か?」

「あぁ、会社の皆、無事かなって」


まぁ、先輩は……ちょっとどうでもいいと思ってしまうけど、一応同僚ではあるし


「安心しろ、この洞窟が消えれば同僚たちも元に戻るさ」

「……なぁ、そういえば社長さん、なんども洞窟に潜ったって言ったよな? つまり、何度も洞窟を消したってことか?」

「そりゃ勿論だ、政府や自衛隊や警察よりも活躍してると思うぞ」


そうか……そうだよな。


「なぁ、俺、できるのかな?」

「できる? 何をだ?」

「俺にも、あんたみたいにこの洞窟を消すこと、できると思うか?」


正直、ここまで俺が活躍できたとは思えない、大体は社長さんが倒したわけだし。

俺も、社長さんみたいに戦って、怪物を倒してみたい。

そういう気持ちが少しあった。

すると社長さんは……


「お前ならできると思うぞ」


間髪を入れずにそう答えた。


「いや、でもよ、大体はあんたの力で怪物を倒せたようなもんだろ? 俺はあんたみたいに完璧じゃないし……」


そう答えると、バイクが急に停止した。


「おいおいおい、止めるなら止めるって言えよ!」


あっぶね、ちょっと転びそうになった。

そして社長さんは、ヘルメットを外してこちらを振り向いた。


「はぁ? 私が完璧だと? 馬鹿言うな!」


……え? 社長さん、怒ってる?


「私だって超人じゃない、ここまで出来たのはグローディ、ジャスミン、洞窟で出会った連中……皆のおかげだ、私一人の力じゃない」

「……」

「それにな……私が怒られたことがないと思ってるのか?」

「え? 違うのか?」

「あたぼうよ、Xetaの頃なんかしょっちゅうだったぞ」


しょっちゅう? 開発部長だったからそりゃ責任重大だとは思うが……


「私は見てわかる通りチビで、それに中学と高校を飛び級で卒業して名門州立大も首席で卒業したからな、周りからは『勉強だけ出来るアジアのクソガキ』扱いだったよ」

「おい、しれっとエリート自慢かよ」

「実際私は天才エリート技術者兼実業家だぞ! 嘘は言ってない」

「はいはい、それで?」

「……あのな、いくら私のような天才だって、怒られるときもありゃ、否定意見が来ることもあるんだよ、現に配信した時非難の嵐だったぞ『お前ら洞窟に入っていいのか』とか『洞窟が現れたのは人間が機械に甘えたせいだろうがよ』とかな」

「いや、後者はただの陰謀論者じゃないか?」

「まぁとにかくだ、いくら私がスーパーエリートの天才だからって、完璧なわけじゃない、誰かと一緒にやってるからそういう風に見えてるだけなんだよ」


そういう風に見えるねぇ……


「まぁ、あれだ、何が言いたいかと言えば、お前が我が社に入れば私はもっと完璧につながるってわけだよ! わかるか?」

「なんだよ、しれっと勧誘か? お世辞を言っても……」

「お世辞じゃない、現にさっきだってお前の援護射撃が無かったらやばかったぞ」

「そうか?」


後ろからずっと社長さんの華麗な戦いぶりを見ていただけのように思えるが……


「ま、とにかく今は、この洞窟をどうにかするか、行くぞ」

「あぁ……」


社長さんはギアを入れ、発進をする……と、思われたが、バイクは再び急に止まった。


「おいおい! 今度はなんだ!? またキレられる筋合い無いんだが!?」

「すまん、エンストした」

「はぁ!?」

「しょうがないだろ! バイクの運転にまだ慣れてないんだよ! 待ってろ、今もう一回エンジン掛けるから」


そういうと社長さんは再びエンジンを掛け始め、バイクを動かした。


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