第45話 特注
「ところでこのスプレー、見たこと無いやつだな」
「そりゃ当然だ、こいつもこのスーツと同じく私が特注で作らせたんだからな」
「それも特注?」
「お前と会っていない間、私は色々準備をしていたんだ!」
「まぁそうだろうな、あんたの格好見てたら大体予測つくよ……」
そういえば電話した時実験がどうとか言っていたが……
「このスーツ、その水鉄砲、スプレー、そしてこのカッコいい日傘……すべて特注だ、凄いだろう?」
「じゃあそのバイクは? つーかあんた無免許じゃないだろうな?」
「いや免許持っとるわ! ほら!」
社長さんはそう言ってポケットから免許証を見せてきた。
まぁ、流石にその辺の倫理観はあるか。
「……これは中古のバイク屋で一番安かったやつだ、お前が電話したタイミングで調整が終わったんだ、そんでこのヘルメットはバイク屋の店主がおまけしてくれた」
「そっちはケチるのか……ていうか、特注で作らせたら余計に金が掛かるだろうよ、いくらあんたが金持ちだからといってもそりゃ無駄じゃないのか?」
必要なものには金を使うのが社長さんの主義なのはわかるが、そんなホイホイ特注で作れるものか?
そんな疑問を抱くのが目に見えたかのように、社長さんは自信満々に答えた。
「実はだな、これらの物品は町工場に営業しに行ったときの副産物みたいなものなんだ!」
「営業? グローディのか?」
「もちろんだ、『金は出すから特注で作ってくれ、おまけに愛しい我が子を着けますよ』、と言ったら二つ返事で了承だ」
えぇ、結局金で解決してんじゃねぇか
「まぁ、今のは少々誇張した表現だが、色々あって承諾してくれた上にグローディも置いてくれたんだ」
「置いてくれた? タダでか? そしたらそっちが損してんじゃねぇか」
「いやいや、ここから本題だ、『グローディを気に入ったから工場の設備にもつけてくれ』とか言ってくれてな、そのおかげで顧客が大量に増えちまって、そんでこの特注品の数々も安くしてくれたんだ」
「ほう」
「ま、詳しい営業内容はお前が入社してから教えてやるよ」
いや、まだ入るとは言っていないんだがな……
「あ、あの……も、盛り上がってるところ悪いんだけどさぁ、そっちの女の子は出口は分かってんの? 常盤くん」
あ、先輩、忘れてた。
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