第43話 エンジン
「ど、どうするんだよ! 常盤くん! このままじゃ俺ら…‥」
どうすればいい……どうすれば……
そうだ、グローディ!
「グローディ、何か策は……」
『その必要はありません』
「はぁ!?」
何言ってんだこのポンコツAI!
『後方より、自動車のエンジン音と同じ周波数の音波を確認、応援と思われます』
「え、エンジン音?」
応援って……
「と、常盤くん!」
「なんですか先輩!?」
「う、後ろ!!」
先輩が指を差した先、そこには……光が見えていた。
その光は謎のモーター音と共に大きくなっていった。
あ、あれは……?
「トムーーーー!! 無事かぁーーーーー!?」
そ、その声は……社長さん!?
「先輩こっち!」
「え!?」
咄嗟に俺は、先輩の手を引っ張って道を作った。
光はもはや眩しいくらいになり、気が付くとその発生源が俺らの目の前に止まった。
声の正体は確かに社長さんのものだったが……
「ようトム! 久しぶりだな!」
「え? しゃ、社長さん……なのか?」
「それ以外の何に見える?」
社長さんの姿は、体中に装甲をつけまくったライダースーツを身に纏い、フルフェイスのヘルメットを装着し、それを徐に外して髪の毛を整えたかと思えば、目元には黄色いゴーグル型のグラサンを着けていた。
背中にはRPGに出てくる剣士のように長い傘を背負い、片腕に腕輪を着けていた、そこに腕時計のような感じでスマホが刺さっていた
社長さんはバイクを降りると、腰に巻いていたベルトからスプレー缶を取り出して、手慣れた感じで迫ってくるマグマどもを一掃した。
あのスプレー缶……なんか射程距離長くなってないか? というか缶のラベルも見たこと無いものだ……
「だ、誰だよあの女の子!? 常盤くんの知り合い!?」
「さぁ……」
あんな恰好をしているのが知り合いとは言いたくない……
俺らがへこたれている中。社長さんは止めたバイクの荷台から何かを取り出そうとした。
「お、おい! 社長さん! ……なんだよ、その変な恰好」
「変とはなんだ! かっこいいだろう!」
「えぇ……」
社長さんのセンスが良くわからない……
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