第37話 光、再び
「常盤くん、もうこんな時間だ、もう仕事は明日にして、帰りなさい」
「いいんですか? 部長」
「いいよいいよ、君もう10連勤目じゃないか、後の事は私がやっとくから、今日は帰って休みたまえ、明日は久々に休みだろう? 帰って早めに体を休ませた方がいい」
「で、ですが……」
「いいから、私も仕事追えたら帰るから」
「そうですか、ありがとうございます、では……失礼します」
ふぅ……なんだ、たまには優しいじゃん部長
流石にお互いクソ忙しい日々を送っていたら、同情したくなったのかな
そんな事を考えながら、喫煙所を後にした俺は、荷物を纏め始めた。
「あ、このスプレー……」
社長さんのヘアスプレーと催涙スプレー……返すの忘れてたな、また……会えるのかな。
というか催涙スプレーは今すぐ返したいな、職質されたら下手すりゃ留置所に入れられる。
「お、常盤く~ん」
「あぁ……先輩」
しまった、先輩に捕まっちまった。
こいつは立場上俺と同じ平社員なんだが、30過ぎで、年数が長い分俺に対してデカい顔している奴だ。
いやだなぁ、こいつに出くわすなんて。
「おやぁ? もう帰っちゃうの? 俺まだ仕事終わって無くってさ~」
「部長が帰っていいと仰ったので……」
「あ、そう? ま、俺が新入社員の頃は20連勤が当たり前だったんだけどねぇ、良い時代になったよね」
「ははは……」
「そういえば常盤くん結婚してたっけ? 俺嫁さんいるから稼がないといけなくってさ、こうして仕事してるわけなんだけど、常盤くんはそうじゃなくていいよねぇ」
「ははは……良い人がいないもんで」
クソ……相変わらずマウント取ってきやがるなこいつ、早くどっか行ってくんねぇかな。
「ま、俺は仕事続けるかぁ、じゃ、せいぜいゆっくり休みな、常盤くぅ~ん」
「はい、お疲れ様です」
全く、テメェが仕事終わんねぇのは作業の段取りが悪いからだろうが、全く、そんなんだからいつまでも昇進できねぇんだよ……
まぁいいや、うぜぇ奴なんて放っておいてっと……
「さて帰るか……ってうお!?」
先輩をスルーして帰ろうと思ってカバンを手に取ったその瞬間、突然、大きな揺れに見舞われた。
これは……あの地下鉄で起きた……
「まずい……」
気が付くと俺は……光に覆われていた。
面白かった、続きが見たいと少しでも思ったら、下の★評価、ブックマーク、感想よろしくお願いいたします!




