第12話 救出者
「はぁ……はぁ……酸欠になったわ!」
遠くに遠くに向かって行き、俺たちはどこかの空間で足を止めた。
幸いスライムたちは足が遅く、何とか撒けたようだった。
「全くだらしないな、トム」
「逆にあんたはなんでそんなピンピンしてるんだよ……」
体力ありすぎるだろこの社長……。
「さ、ところで、お前も大丈夫か?」
「はい……なんとか……」
女の子は、体育座りで震えていた。
さっきはよく見えていなかったが、女の子は耳にピアスを沢山つけ、ゴスっぽい服装、持っているバッグは女児向けのマスコットが描かれていたりと、歓楽街にいる家出の少年少女と同じような見た目だった。
社長さん、ちょっと言い方に圧があるだろ……相手はスライムに殺されそうになったんだぞ? ここは俺が声を掛けるか。
「……怖かったよな、そりゃビビるよ」
「……」
目線を合わせて声を掛けると、女の子は俺の方へと顔を上げてくれた。
不思議と、震えも収まっていくように見えた。
「俺は常盤為朝、君は?」
「……名前……ないです」
「うん?」
名前名乗りたくないのか?
「おいおい、人様が名乗ってやってるんだから名乗らないか」
「まぁ、社長さん、あんまり自分の名前を言いたくない人だっているだろ」
「全く……まぁいい、そこの、私の名刺だ」
社長さんは俺と自己紹介した時と同じように、両手で名刺を差し出した。
怯えつつも女の子は受け取った……。
「zAI……社長?」
「そうだ、鏡ルカだ、よろしくな」
「AI……」
……女の子は、突然立ち上がって、社長さんから隠れるように、俺の後ろへとやってきた。
え? 急に何? 社長さんも困惑しているのか、首をかしげていた
「……まぁ、とにかく、落ち着いたところで先へ進もうぜ」
「あぁ、そうだな、行こう」
俺が立ち上がると、それに合わせるように女の子も立ち上がった。
そして、後ろから俺の腕を掴んできた。
なんだろう、悪い気はしないが、どういうわけか社長さんを避けている気がする。
名刺を渡されるのが初めてだから緊張してるとか? そりゃないか。
こうして女の子の盾になりながら、先へと進み始めた。
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