第10話 生命反応
『生命反応を確認、人間が推定1名、その他、低体温の生命体を5体確認しました、ここから300m先の地点です』
……なんだと? 生命体?
「トム!」
「あぁ!」
俺と社長さんは、グローディの言葉を信じて走り出した。
疲れていた俺の身体も、生命反応と聞いて自然と回復したかのように思える上に、足取りが軽快になったように感じた、俺と社長さん以外の生存者がいる……そう思ったからだ。
しかし気がかりなのは、低体温の生命体……それは一体?
「トム! いたぞ!」
「あれか……なんだありゃ!?」
向かった先には、液状の何かが沢山いた。
若干暗く、姿形の把握は難しいが、少なくとも一定の形は保っていないのは分かる。
そしてその液状の何かが取り囲んでいるのは……。
「トム、人が閉じ込められているぞ!」
黒髪の女の子が、後ずさりをしながら震えていた。
近づいてみると、液状の何かはRPGなどでよくいる「スライム」という怪物に似ているような気がした。
もしもそれと同じなら……
「くっ……どうすれば……」
「グローディを使え!」
「使えったって……」
なんて質問すりゃいいんだ!? この状況を打破する方法……。
「おい、トム!」
「え? ……あっ」
俺がしどろもどろしている中、スライムが俺の事を取り囲んでいた。
うーん、しょうがない! ここは率直に質問しよう!
「なぁグローディ! 今スライムに取り囲まれてるんだけどどうすりゃいい!?」
俺はスマホに向かって叫んだ。
周りのスライムは今にも俺を襲おうとしていた。
『それは大変な状況ですね! そのような状況になった場合はまず冷静になるのが良いでしょう、そして安全な場所へ避難すると良いですね! 以下にその後の対策をお答えいたします……』
「あぁもう! またこれかよ!」
……だが、そう簡単に答えは教えてくれない、俺は武器を構えて戦う準備を整えた。
『まず、スライムは熱や光に弱い生命体と考えられます、懐中電灯などの灯りを放つ道具を使用し怯ませる手段がいいでしょう、次に、ライターなどの火を起こす道具、又は火を起こす魔法を使用し、冷静に一体ずつ倒していきましょう』
「よし! えーっと灯りを放つ道具……このスマホを使うか!」
スマホの電灯機能を入れ、ついでに画面の明るさも最大にした、暗い洞窟の中でその灯りは太陽のように輝いていた。
スライムたちの動きは瞬時に固まった。
よし、次は火を起こすもの……。
「ライターとヘアスプレー……これだ!」
社長さんから貰ったヘアスプレーの噴射口の前で火を点け、思い切りトリガーを引いた、すると殺虫剤は火炎放射器のような武器に早変わりし、スライムたちは蒸発していった。
社長さんが託したヘアスプレー、大活躍だ。
「よっしゃ! これだな! ありがとう、グローディ!」
『こちらこそ! お役に立てるのであれば私はどんな質問にも答えます、遠慮なくどうぞ!』
俺はそのまま火炎放射しながらスライムどもを蒸発させていった。
ひとまずはあの女の子を救出してこの場から離れないと……。
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