46話 街での戦い
鋼の黒関が放つ巨大な槍は、地面を切り裂きながら俺たちに迫る。その攻撃を止めない限り、街全体が壊滅してしまうだろう。俺は剣を構え、鋭い眼差しで槍を見据えた。
「アルディア、葵！この攻撃を防ぐ方法を探すんだ！」
「簡単に言うな！この威力、まともに受ければ一瞬で吹き飛ばされる！」アルディアが叫びながらも、呪文を詠唱し始める。その横で葵も杖を振り、空間を歪めるような魔法陣を展開していた。
「時間を稼ぐ。頼むぞ！」
俺は覚悟を決め、鋼の黒関に向かって突き進んだ。
「面白い、愚かな挑戦だが受けてやる。」
鋼の黒閉は冷たく笑いながら、空間を歪ませるほどの力を放つ。その手には新たな武器ーー黒い大剣が現れていた。
俺は剣を振りかざし、力の限り彼に向かう。しかし、その一撃は黒関の剣に容易く受け止められた。
「この程度か？それでは我々の王の足元にも及ばんぞ。」彼の剣から放たれる衝撃波が俺を吹き飛ばし、地面に叩きつけられる。
「ぐっ...まだだ！」
俺は立ち上がり、再び剣を握る。彼の力は圧倒的だが、ここで諦めるわけにはいかない。
その時、背後からアルディアの声が響いた。
「準備が整ったぞ！今から結界を展開して、奴の攻撃を封じ込める！」
「それまでは時間を稼げってことか....了解だ！」
俺は再び鋼の黒関に向かい、剣を振り下ろした。彼の防御を突き崩そうとするが、その圧倒的な力の前に、こちらの攻撃はなかなか通らない。
「小賢しい。だが、その程度の攻撃では我々には勝てん！」
鍋の黒関は巨大な黒い光をい、俺たち全員を吹き飛ばすかのような力を放とうとする。
「間に合え...！」
葵が叫びながら杖を振り上げた瞬間、巨大な結界が街全体を包み込んだ。黒関の力が結界にぶつかり、激しい音とともにエネルギーが弾け飛ぶ。
「何だこれは....！」
鋼の黒閃が初めて驚愕の表情を見せた。
結界が完成したことで、彼の力が一時的に封じ込められた。だが、それでも彼の戦闘能力が低下するわけではない。
「この程度で俺を止められると思うな！」
鋼の黒閃が怒りとともに再び攻撃を仕掛けてくる。
「みんな、ここが正念場だ！」
俺は剣を構え直し、最後の力を振り絞る覚悟を決めた。
アルディアと葵もそれぞれの役割を全うし、俺たちは連携して鋼の黒閃に立ち向かう。結界の中での激闘が、さらに激しさを増していく。
結界の中、鋼の黒閃がその大剣を振り上げるたびに空間が歪み、まるでこの場そのものが破壊されるかのような圧力が襲いかかってくる。
「これじゃ防ぎきれない...！」
アルディアが防御魔法を張るが、剣から放たれる衝撃波は結界ごと魔法を砕いていく。
「奴の防御は完璧だ。突破口を見つけないと！」
俺は鍋の黒閃を睨みつけながら、何とか隙を作ろうと考える。しかし、常識的な戦い方では太刀打ちできない相手だと分かっていた。
「常識じゃダメだ...！」
俺はふと、自分にしか使えない”あののことを思い出す。
「すり抜けバグ..これを使えば、奴の鎧を無効化できるかもしれない！」そう考えた俺は、鋼の黒の背後に回り込む計画を立てた。
「みんな、少しの間だけ耐えてくれ！」俺がそう叫ぶと、アルディアと葵は戸惑いながらも頷いた。
「何をするつもり？」
葵が問いかけるが、俺は答えず鋼の黒閃の攻撃に突っ込む。
「こいつが相手じゃ、真正面からじゃ無理だろうが....！」
俺は鋼の黒閃の剣をギリギリで避けながら、壁際まで追い詰められる。そして、奴が再び
剣を振り下ろしてきた瞬間一ー
「今だ！」
俺はすり抜けバグを発動させ、壁の向こう側に移動した。
「消えた....！？いや、背後か！」
鋼の黒が気づく前に、俺は奴の隙間だらけの背後を取ることに成功した。
腕を伸ばすバグで一撃を狙う。
「このまま一撃で終わらせる！」
すり抜けた勢いのまま、今度は腕を伸ばすバグを発動。俺の剣を握った右腕が異様に伸び、鋼の黒関の背中に突き刺さる。
「なにい！？」
鋼の黒閃が驚愕の声を上げると同時に、その鎧の一部が砕け、黒いエネルギーが漏れ出した。
「その鎧が無敵だと思うなよ！」
俺はさらに腕を伸ばし、奴の体の中枢に剣を押し込む。
しかし、鋼の黒閃はそのまま終わらなかった。漏れ出した黒いエネルギーを再び吸収し、体全体が巨大化していく。
「ふざけるな....俺を侮るなアアア！」彼の声が轟き、結界がさらに歪み始めた。
彼の声が轟き、結界がさらに歪み始めた。
「葵！アルディア！今だ、全力で奴を叩け！」
俺は叫びながら、すり抜けバグで手び距離を取り、体勢を整えた。
「行くわよ！」
葵の強力な魔法が鋼の黒閃の頭部に炸裂し、アルディアが追撃の剣技を繰り出す。俺も最後の力を振り絞り、剣を振り下ろす。
三人の連携攻撃が鍋の黒関に命中し、彼の体は限界を迎えたように崩れ落ちる。
「ぐ...この程度で..侵略者の軍勢を止められると思うな....」
鋼の黒関がそう呟くと、彼の体は完全に黒い霧となって消え去った。
「終わった....のか？」俺は地面に崩れ落ちながら呟いた。
「とにかく、戻りましょう。この戦いがどれだけ街や世界に影響を及ぼしたか分からないわ。」
葵がそう言いながら俺の手を引き起こす。
まだ戦いの余波が残る中、俺たちは街へ戻る準備を始めた。
