6、魂!?
「にゅにゅにゅ?うにゅーこれは黒龍だにゅ」
「!?」
「にゅ。これは厄介かもしれないにゅ」
おう、なんかヤバそう。
「黒龍ってどんな龍なの?」
「「…」」
スルーかよ。
「それに、もっとまずいことになったにょ」
「赤ふもどの、どういうことだ?」
「どうしてこうなったかはわからないにゅ。でも、魂が離れかけている感じがするにゅ」
なんだ?それは結構やばいんじゃないか僕。
「我がなんとかするぬ。澄は安心するがいいのだ〜」
「ふも…」
実は頼れる毛玉だったのか!
「…たぶん大丈夫なのだ〜」
これ、大丈夫か?
環さんがすごく悩ましそうに前髪をかきあげた。うおぅ
「黄龍に相談してみるのはどうだろうか?」
「うにゅ!いいかもしれないにゅ」
「準備OKだにょ〜」
「ということで、家には誰か残っていないといけないしふもはお留守番だ」
「なぬ?ということで?いやだぞ!環〜さみし〜」
「取っておいたカステラをあげよう」
「なぬ!しっしかたないな〜こんかいだけだぞ〜」
相変わらずちょろいなー
「あにょ、途中で私の家に寄ってもいいかにょ?」
「そうだな。ついでに、先輩に挨拶してもいいか」
「いいにょ!美味しいお菓子がとってあるはずにょ。一緒に食べるにょ」
「先輩?」
「そういえば澄はしらなかったか〜我が教えてやる〜ここに残っている中で一番長く神隠しされているやつなんだぞ〜だから、眷属たちに先輩と呼ばれている」
偉いひと?優しい人だったらいいけど…
◆◇◆◇◆◇◆
「♪にゃはにゃはにゅにゅにゅ〜」
元気だなーなんか落ち込む気分じゃなくなったよ。
「そろそろつくにょ。良い時間だし家でお昼にょ」
神隠しされてきたはいいものの、この世界は広いようで狭いようでよくわからない。赤龍の家に行くのに結構掛かると思っていたのに、午前中につくようだ。
川や草、花が咲き並び美しい風景の中に、思いっきり西風な家が立っている。
「ついたにょ!」
あれなの?まじかーだいぶ西洋だな。和風のイメージが、、、
「たーだいま!燦ちゃんかえったにょ。元気だにょ?」
「お邪魔させてもらう」
「失礼します」
ーガラガラ
「おかえりなさい。あぁ、環。文をありがとう。赤龍。名前をもらったようでよかったな」
かっこいいお兄さんが出てきた。長い髪を低めの位置で結び、鷹揚にわらっている。
「えっと、はじめまして。先輩?」
「ははっ好きに呼んでくれ。澄だったか?良い子そうだな。よろしくお願いする」
「こちらこそ!」
「燦先輩。久しいな」
「おう。そちらもお元気そうでなによりだ」
「にゅにゅ!燦ちゃん!!とっていたお菓子は??」
「すまない。美味しそうだったので、食してしまった」
「もうーたのしみにしてたにょにー!!」
楽しみにしてたお菓子はラスク。赤ふもと燦さんはミーハーなよう。
「燦」赤ふもの眷属。最年長の先輩。