2. 状況把握
出されたお茶をいただいて一息つくと、環さんが話を切りだした。
「ここは神隠しの庭と呼ばれていて、神たちが気に入った人間を隠しておく場所だ。神隠しは禁止されていてもう人なんかやってこれないはずなんだが。」
「っえ?かみかくし?」
信じがたい事だ。
「じゃあ家にはどうやって帰るの?」
「すまないが、君のことをどうすればいいのか分からないし、家に返してやることも難しい。」
頭が真っ白になる。
・・・家に帰れない?
「???」
「それで、提案なのだがここで雑務の手伝いをしてくれないか」
提案というか確定事項じゃん!
家に帰れないし、どうしろと?
「あの、雑務って?」
「手伝ってほしいことはこの子の世話や、家事、お茶出し」
意外に簡単なお仕事だ。やってみてもいいかもしれない。小学校ではウサギの世話係だったしな。
「やります」
「いいのか!助かる」
なんかめっちゃ喜んでくれた。そんなに大変なんだろうか?
「おい環〜我は澄にふもという名をもらったのだ〜」
「そうなのか?良い名だ」
ふもは名前を気に入ってくれたみたいだ。ちょっとうれしい。
「では、君の部屋に案内しよう」
◆◇◆◇◆◇◆
わくわくしながらついていくと、廊下の奥の角部屋に案内された。
「ここが私の部屋だ。何かあったら呼んでくれ」
いやっぼくの部屋は?
「っあ、すまない。君の部屋はこの隣だ。」
めっちゃ察しが良いな。心の声でもきこえるのかな?
「そうだが」
「!!!」
「ぬはー、環大事なこと言い忘れてるよ〜」
ちょっと大人しくしていたふもが口を開いた。なんだろう?
「あぁ。神隠しの庭に来た人はなにか特殊な能力を持っているんだ」
ということはもしや僕も?
「そうだ。明日ぐらいにはわかるだろう」
!わくわくするなー
王道に超強い力が手に入ったり、テレパシーを出せるようになるのかな。
「では、また明日。不便があったら遠慮なく言ってくれ。」
環さんは心配そうに気づかってくれた。一見クールに見えるけど、優しい人なんだな。
その後、環さんは居間に戻りふもが夕飯を持ってきたり、風呂に案内してくれたりした。ふも意外に面倒見がいいのかも。
◆◇◆◇◆◇◆
畳まれている布団を敷き、もう寝ることにする。今日は驚きの連続だったな。夢かもしれない。
不安なこともあるけど、なんとかなるだろう。とりま寝よー
環は気を使って、仲の良さそうなふもに色々任せたようです。澄は能天気すぎる…