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7話 魔人

魔物と呼ばれる生物がいる。

体の中に魔石と呼ばれる魔力の結晶があり、強い個体になれば魔物自身が魔法を操ることもある。魔物はG、F、E、D、C、B、A、S、SS級という9段階にランク付けされる。

しかし、SS級など伝説の存在で、実質魔物の最高ランクはS級だ。また大体B級以上の魔物が魔法を操れるとされている。


余談だが、魔物多くは人間に害をなす為、国がお金を出し冒険者と呼ばれる人々が討伐する。

冒険者ギルドが主要な町ごとにあり、そこでは清掃事業や店番から災害級の魔物の討伐まで色んな依頼がずらりと並ぶ。

国からの依頼書と、貴族や商会からの依頼が半々といったところらしい。魔石に特定の魔法陣を刻んで魔道具を作ると、魔石の価値は数倍に跳ね上がるのだ。なので裕福な家は、お抱えの魔法師に魔道具を作らせるのだ。


♢♢♢

「なあ、聞いたか」

「ああ、魔物の異常発生の話だろ。何十年かに1回、どこかの町で起こるのが一般的なのに、今年で3回目だぞ」


騎士団ではこの話題で持ちきりだ。

魔物が異常発生した地方の騎士団ではかなりの負傷者が出て、レイラ様もその土地に赴き治療や時には後方支援をなさった。


だが、この異常の理由は未だ分からず、専門家も頭を抱えている、そんな時だった。

「きゅ、急報!急報!」

1人の騎士団員が命からがら持ち帰った情報。

それは、衝撃的なものだった。


「これより、緊急会議を行う」

騎士団員が帰還したその日のうちに陛下は、各大臣、騎士団総長と各団長、副団長が召集した。

緊急会議に集まった面々は皆硬い表情だ。

「詳細は騎士団総長から話してもらおう」

「はっ」

レオン様も額に汗を滲ませ、いつもの飄々とした様子とは違った独特の緊張感を持っている。


「本日、一名の騎士団員が帰還しました。彼の報告によりますと、異常発生した魔物の中に、人形の魔物を発見。討伐の為に騎士団長、副団長を含む約30名が命を落としました。ですが、深手を負った魔物はその場を逃亡、討伐は失敗したとのことです」

この報告に陛下以外の全員がどよめく。


陛下には事前に報告が入っているのだろう、陛下は1度だけ重く頷くだけだった。

「また、その魔物は闇属性の魔法を操れ、独自の言語形態があるように見受けられたとのことです。知力も人並みにあった可能性があります」

追加の情報に今度はシーンと静まり返る。


「その魔物、我々との対話は可能だったのか?」

陛下が問う。

「私達の会話を理解していたかどうか定かではありませんが、騎士団長が対話を試みたところ不可能だったと」

沈痛な面持ちのレオン様が答える。


「なるほどな」

目頭を押さえながら、陛下はふぅと溜息をつき言葉を続ける。

「仮にその魔物を『魔人(デーモン)』と名付ける。魔人のランクは現時点ではS級。今後、同じ個体、もしくは同じ特徴を持つ個体が現れた際に再度検討し、場合によってはSS級へと引き上げる」

大臣や騎士団の各団長達も重々しく頷く。


「問題はこの情報をどこまで共有するかだな」

「とりあえず、この情報は我々だけが「きゅ、急報!!」」

大臣が話している最中、1人の騎士団員が突然入室する。


「今、緊急会議の最中だぞ。入室許可も待たずに無断で入ってくるとは何事だ!」

大臣の1人が立ち上がって叫ぶ。

だが、騎士団員はそんな事など聞こえていないかのように、恐怖に染まった顔だ。

「へ、辺境にて人型の魔物が3体確認され、現在、その町は壊滅状態になっています。現在、その魔物達は別の町を襲撃中で、騎士が応戦していますが既に半数近くが亡くなったとのことです」

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