23話 1日の終わり(途中からダニエル視点)
気がつけば1年経っていました…
これから連載を再開したいと思います!
毎週水曜日と土曜日に更新していけたらと思います!
よろしくお願いいたします!!
しばらく3人で談笑していると、不意にコンコンと扉を叩く音がする。
ダニエルが「どうぞ」と声を掛けると、神官の人が部屋へと入ってきた。
私の部屋の準備が整ったとのことだ。
ダニエル達に一緒に向かわないのか、と聞いたが2人とも首を振った。
「申し訳ございませんが、私達はこれからしなければいけないことがございまして。今日はもうゆっくり休んでください。明日はお迎えに上がりますので」
柔和な笑みを浮かべてそう言ったダニエルに、有無を言わさず部屋を追い出されてしまった。
代わりに若い神官に先導されて長い廊下を歩き、たどり着いた部屋は、まるで上位貴族の部屋かと思うような豪華な部屋だった。
「このお部屋が私のお部屋ですか?」
「はい、そうですよ」
案内してくれた神官はニコニコしながら答えてくれる。
内心では、え、光属性が使えるってだけでこんな部屋を…と思いつつ、表情を取り繕って喜んだふりをする。
「わぁ!とってもキラキラしてる!」
ぴょんぴょん飛び跳ね、部屋の中を走り回ってみたが、神官は何も言わない。子供っぽさを演じるために少しやりすぎかもしれない。
実際には神官は微笑ましく見ていただけなのだが、エリザベスが気づくことはなかった。
暫くほわほわした気持ちでエリザベスを見ていた神官だったが、ふと我に帰ると、ごほん、と咳払いをすると説明を続けた。
「明日は午前中に専属のメイドを選んで頂いた後、午後からはエリザベス聖女様の歓迎会が開かれます。楽しみにしていて下さいね」
「ふぁーい」
昨日、家族と過ごす最後の夜ということで夜更かしをしてしまったため(ほぼ母が延々と喋っていただけだが)今日はもう眠くて仕方がない。
布団に入ってすぐ、私は眠りについたのだった。
◇◇◇(ダニエル視点)
ふぅ、と自室の椅子に腰掛け、外を眺める。外はもう月明かり以外の光はない。
あと2時間もすれば夜が明ける時間帯だ。酒場が近くにないこの場所に明かりがないのも当然か。
今日は色々なことがあった。
朝から教会全体がいつもと違った。新しい聖女様がこの教会にいらっしゃるのだ。
色持ちの神官達は皆どこかそわそわしている様子だが、聖女様方は少し苛立っているように見える。
この教会には、一際魔力の高い聖女様が暮らしている。この教会所属というのが、聖女の中の一種のステータスなのだ。
それでもここにいる聖女様のほとんどは、10歳の時の適性検査で聖女だと判定された方ばかり。
5歳の時点で聖女だと分かったのは、現在序列1位の御方だけ。しかもその方は、王太子の婚約者であらせられる。これはもう余程のことがない限り確定事項だ。
現在この教会では、第ニ王子の婚約者の座を巡って熾烈な争いが繰り広げられている。現在、第二王子は12歳だが、年上だろうと年下だろうと王族は力が強い聖女と結婚することが多い。
だが、「力の強い」といっても魔力量が多いというだけではない。実際は家柄や後見人となる専属神官の実家、色の種類が大きく影響してくる。
今の王太子の婚約者も実家が筆頭公爵家。しかも、専属神官は紫の色を持ち、実家も公爵家の教皇だ。余程のことがない限り、彼女の地位が揺らぐことがない。
そんな中、5歳時点で聖女だと判明した少女の存在。
あぁ、出来る限り関わりたくない。
だが、今日だけはその少女に会わないわけにはいかなかった。昨年までは白一色の神官服だったが、今年は昇進させられ、青色の刺繍がされた。
色持ちとなった神官は、新しい聖女様をお迎えする時に必ず整列させられる。色持ちの中では下っ端の青色であろうと、だ。
こんなことなら昇進を断ればよかったと後悔する。
育った孤児院への仕送りを増やせるからと昇進したが、増えた仕送り額以上に責任が増え、厄介事にも関わらなければならなくなった。
今日さえ乗り切ってしまえば、後はいつもの少し煩わしい日常に戻るだろう。
そう思いながら大聖堂へと足を踏み入れたのだった。
「面白い」「続きが気になる」となど思っていただけたら、ブクマや『☆☆☆☆☆』マークより、評価を入れていただければ嬉しいです。




