15話 まほうてきせいけんさ
部屋の中には、男の人に連れられた女の子が30人くらい居た。
席は最初から用意されているけれど、5人くらいの人しか座っていなくて、あとの人たちは、座っている人たちに喋りかけている。
「もう少し座るのは我慢してくれるかい?」
「はい、がんばります」
お父さまに連れられて、私は座っている人たちに挨拶しに向かった。
「お久しぶりです、ホワイト公爵」
「これはこれは、ブローシュ伯爵」
お父さまは、ホワイト公爵と呼んだ人と和かにお話しなさっている。
私は公爵さまよりも連れられた女の子の方が気になった。
ずっと俯いて、唇を噛んでいる。でも、本当に可愛い。白、いや銀色の髪の毛。真っ白な肌。まるで…
「ゆきのよーせーみたい…かわいいわ」
思わず声に出してしまい、3対の目がこちらを向く。
「ぁ、あの、申し訳ありません」
あわてて謝罪する。どうしよう、私たちより位が上のお方なのに。
私の様子に、ホワイト公爵は、ハハッと笑った。
「いやはや、かわいいご令嬢ですな。奥様にもよく似ていらっしゃる」
「申し訳ありません、公爵。あまりこのような場に慣れておらず…」
お父さまも慌てて謝罪したが、公爵は気にしておられない様子だ。
「構いません。まぁ、互いに良い結果であれば良いですな」
そうして公爵の前を退き、他の4人の方にも挨拶を済ませる。
ようやく座れたと思ったら、次は他の方が挨拶に回ってきた。もう、休ませて…
ぐったりしたところで、ガチャリと扉が開き、全身白い服を身にまとった男の人が入室した。多分、神官さまだ。
神官さまに続いて、お付きの人が丸くて大きなガラス玉を持って部屋に入ってきて、中央の一段高いところに立った神官さまの前にある机の上に置いた。
「皆様お揃いですね。これより魔法適性検査を始めます」
しっとりとした声で、神官さまがお話し始めた。
「ご存知の方もいらっしゃると思いますが、改めて御説明致します。こちらに手を触れて頂くと、適性魔法の色に光ります。もし、魔力を持っておらず、魔法を使えない場合には光ることはありません。ですが、魔法を使える人自体が少ないですし、5歳で魔力が検知できる例は稀ですので、光らなくても気落ちなさらないで下さい」
そもそも光る人は少ないのか…そういえば、前にお父さまが魔法が使える人自体が10人に1人ぐらいしかいない、って言ってたっけ。
「それでは、ホワイト公爵令嬢」
「はい」
さっきの子だ。名前聞き忘れちゃったな。帰りに聞いてみようかな。
彼女は神官さまの前に立って、ガラス玉に手を当てる。すると、青色の光がぼぉっと中に浮かび上がる。
「おぉ、水属性に適性が」
周囲の人たちがどよめく。きっとすごい事なんだろうな。
でもホワイトちゃんは、顔を強張らせて涙を流しながら座っていた席に戻って行った。ホワイト公爵さまも、顔を両手でおおってがっかりしている。
その後の4人は誰も光ることはなくて、いよいよ私の番がやってきた。
「続いて、ブローシュ伯爵令嬢」
「はい!」
元気よく答えて、前に歩いていく。神官さまの前まで行くと、神官さまが優しく話しかけてくれる。
「もし光らなくても、大丈夫だからね」
「はい!分かりました」
「良い返事だ。それじゃあ、これに触れてごらん」
多分何も起こらないんだろうな、そう思いつつ私が手を触れた瞬間、ガラス玉は物凄い光を放ったのだった。
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